DPF-7002 基本スペック
D/Aコンバーター:22bit32倍オーバーサンプリング
周波数特性:4Hz〜20kHz(EIAJ)
S/N比:120dB以上(EIAJ)
ダイナミックレンジ:100dB以上(EIAJ)
総合歪み率:0.002%以下(1kHz、EIAJ)
チャンネルセパレーション:100dB以上(1kHz、EIAJ)
ワウ・フラッター:測定限界以下(±0.001%W PEAK、EIAJ)
出力レベル/インピーダンス:可変出力2V/0.3kΩ
ディジタル入力/出力:コアキシャル0.5Vp-p/75Ω、オプティカル-15dBm〜-21dBm(発光波長660nm)
電源電圧・電源周波数:AC100V,50Hz,60Hz
定格消費電力(電気用品取締法に基づく表示):13W
最大外形寸法:270(W)×133(H)×315(D)mm
質量:5.6kg
「D.R.I.V.E. with 32fs & 22bit resolution」
PCM1702自体は20bit 8倍オーバーサンプリング対応なんですが、どういう仕掛けかDPF-7002は22bit32倍オーバーサンプリングを謳っています。前面パネルにも「D.R.I.V.E. with 32fs & 22bit resolution」とあります。
某巨大BBSの過去ログらしきものの中に下のような物を見つけました。
【32fs Fine D.R.I.V.E. ブロックダイヤグラム】
1fs.16bit
↓
D.R.I.V.E PROCESSOR
↓1fs.20bit
8TIMES DF 20bit
↓8fs.20bit
32fs.22bit DF
↓8fs.20bit
PCM1702 4パラレル
↓32fs.22bit
OUT
D.R.I.V.E. (Dynamic Resolution Intensive Vector Enhancement)というのはKENWOODのデジタル・シグナル・プロセッサでbit拡張したり波形を補間処理したりするようです。直訳すると「動的解像度強調化波形補間処理」?(^^;)
1fs.16bit
↓
D.R.I.V.E PROCESSOR
↓1fs.20bit
8TIMES DF 20bit
↓8fs.20bit
DFというのはデジタルフィルターでしょう。ここまでは特に問題無く理解できます。
32fs.22bit DF
↓8fs.20bit
PCM1702 4パラレル
↓32fs.22bit
OUT
冒頭にも挙げたようにPCM1702が20bit 8fsなので、PCM1702への入力が8fs.20bitなのは当然なんですが何故
「32fs.22bit DF」を通してるんでしょう?
PCM1702 4パラレル
↓32fs.22bit
OUT
これは8倍の4パラレルだから32倍で、同じく2進数の20bitの4倍表現として22bitということなんでしょうが、DACをn次パラレルにするっていうのは結果として信号周波数やサンプリング・ビットのn倍数になることを意味するんでしょうか?MMB(Multiple Multi-Bit)方式という名称からもそのようですが、素人には分かりにくい話です。
「Super HiFi DAC Boardの設計(EVM-1702の技術解説)」(http://www.tij.co.jp/jsc/psheets/SBAA061.pdf)の回路図を見ても終端で単に結線してるだけのようで同相の信号を加算するならゲインが倍になるだけで周波数が倍にはならないんじゃないか?とか素人目には見えるんですが奥が深いですね。
(参考)1fs=44.1kHz
8fs=352.8kHz
32fs=1411.2kHz
2の 16乗 = 65536
2の 20乗 = 1048576
2の 22乗 = 4194304
最後に32fs.22bitデジタルフィルターに通しているならまだ分かりますが、そうではないですし・・・「32fs.22bit DF」って何の役割なのかさっぱりです。
そもそもPCM1702の出力は「アナログ」の電流でI/V変換のオペアンプで電圧に変えられて・・・ですから「32fs.22bit」に意味があるんでしょうか?それをまとめてLPF回路でオーディオ帯域外の高域をカットしてしまうんですよね。うーん、難しい。「32fs.22bit」相当という意味?
追記:ひとつ思いついたのが8fs=352.8kHzの処理を4対のDACで同時に処理をしているから、32fs=1411.2kHz相当ということで、32fs.22bit DFが内部的に8fs.20bit×4を管理していて各対DACに1/4ずつ割り当てを行なっているということ。どうもそのようですね。ということはブロックダイヤグラムは次のようにちょっと加筆修正した方が分かりやすいかも知れません。
【32fs Fine D.R.I.V.E. ブロックダイヤグラム】
1fs.16bit
↓
D.R.I.V.E PROCESSOR
↓1fs.20bit
8TIMES DF 20bit
↓8fs.20bit
32fs.22bit DF
↓8fs.20bit ×4 ←ここ
PCM1702 4パラレル
↓32fs.22bit
OUT
D.R.I.V.E.の進化?
KENWOODの「D.R.I.V.E.」はアプリケーションに姿を変えたり、携帯AV機にも搭載されているようです。
「Supreme/D.R.I.V.E. 」
「シュープリーム」または「サプリーム」でしょうか?
http://www.kenwood.com/j/press/press20000619.html
上記URLでは「欠落した高音域帯を類推補間(補完)する」と明記されています。
「Supreme2」
「藤本健のDigital Audio Laboratory 第37回:KENWOODのSupreme2を搭載したMP3ソフト 〜「MP3 Audio Magic XPサラウンド」の実力〜」(http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20011203/dal37.htm)
上記URLで見られる「Supreme/D.R.I.V.E.」と「Supreme2」の波形補間結果を見ると、frieve audioのHSCが行なう高域拡張は「Supreme/D.R.I.V.E. 」と「Supreme2」の中間のような処理結果に見えましたが、名称からして下のURLの記事にある東芝の「H2C」に近いんでしょうか。
KENWOOD Media KEG「HD30GA9」の「Supreme」
「藤本健のDigital Audio Laboratory 第245回:携帯プレーヤーの音質補正機能を検証 その3 〜 補正ONで「Supreme」は「H2C」に比べ特殊な変化 〜」(http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20060731/dal245.htm)
Media KEG「HD30GA9」の「Supreme」はTDK Audio Magicシリーズというアプリケーション中のエンジンとして開発されたソフトをDSP化して搭載したもののようですが、下の記事の開発者インタビューに色々と面白いことが書かれています。
「藤本健のDigital Audio Laboratory 第52回:ケンウッドの圧縮オーディオ補正技術「Supreme」とは? 〜 音の違いがわかる人は、音がよくなったと評価 〜」(http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20020423/dal52.htm)
・高い周波数は、音としては聞いていないけど、脳幹に影響を与えるらしい
・高域周波数の補間と抜け落ちた音の補間
・補間のためのアルゴリズムや与えるべきパラメーターは実は曲のジャンルや楽器によって異なるが、現在はアルゴリズムとパラメーターは固定である
など。ここまで来るとDPF-7002の「D.R.I.V.E.」とはかなり役割が違いますね。当時は圧縮音源を読ませることは想定されていないでしょうから、DPF-7002の「D.R.I.V.E.」では圧縮によって抜け落ちた途中の音の補間はできないはずですから、DPF-7002に入力する前に補間しないと。
使えそうな物
PCで使う場合は、現状だとSonyのSonicStageでしょうか。あとで試しに使ってみようかと思いますが、普段はWMA LossLessでリッピングしたものを聴いているのであまり必要性を感じません(^^;)
http://www.walkman.sony.co.jp/sscp/
外付けのCreative 「Xmod」かmaxell 「Vraison」なんかはS/PDIF出力が無いのでそもそもDPF-7002に入力することはできませんが・・・。どっちも微妙なようですし。
「藤本健のDigital Audio Laboratory 第260回:USBオーディオの音質補正機能を検証 〜 クリエイティブ「Xmod」と日立マクセル 「Vraison」を試す 〜」(http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20061127/dal260.htm)
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