Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

DPF-7002 MEMO 2


独学用のメモですから(^^;)読み飛ばしてください。

セトリングタイム


I/V変換のオペアンプを4つ(8回路)ともAD823ANに変えて確かめたいですが、セトリングタイムがデータを正確に再生するために重要なんでしょうね。オペアンプを使わずに抵抗一本でI/V変換をした方が音が良いという話も見かけますが、セトリングタイムが悪い(長い)オペアンプを使うくらいなら使わない方がもマシという意味だったんでしょうか?


オーバーサンプリング無しの場合、fs=44.1kHzなので1/fs=22.7μs、8倍オーバーサンプリングの場合、fs=352.8kHzなので1/fs=2.8μs。


PCM1702自体のセトリングタイムは200nsなのでそれを下限として、fs=44.1kHzの場合11.4μs以下、fs=352.8kHzの場合1.4μs以下でなければならないとされています。


「PCM1704の高性能化テクニック」(http://www.tij.co.jp/jsc/psheets/SBAA066.pdf)の中のI/V変換回路の考察にあるセトリングタイムの説明を、PCM1702に合わせて一部書き換えると下のようになります。



セトリングタイム(Ts)

DAC出力データの変換レート時間Tsは、
Ts = 1/352.8kHz = 2.8μs
となり、DAC出力データは、2.8μs毎に変化します。オペアンプ
は、この変換レート時間Ts内に所定の信号に追従を完了していな
ければなりません。この追従性はセトリングタイムで規定されて
いますが、振幅軸とのパラメータで規定されており、一般的には
フルスケールの±0.01%精度へのセトリング時間Tsが規定されて
います。16ビットの変換でも±0.0015%が理論精度になるので、
これを考慮するとオペアンプに要求されるセトリングタイムTsは
1.0μs程度が必要だといえます。


DPF-7002に使われていたNJM4580Lのセトリングタイムがどれほどの物か分かりませんが、8倍オーバーサンプリングDACのI/V変換用として理想とは程遠いだろうということは分かります。

スルーレート


ついでにスルーレートも見ると


DACの出力変換レートは、44.1kHz × 8 = 352.8kHz。CDにおける標準信号出力レベルVo = 2Vrms(約6Vp-p)を考慮すると



スルーレートVsは、
2×3.14×fs×A
2×3.14×(44.1kHz×8)×6V = 13.29V/μs
以上でなければならない

(A : F/S signal swing at 2Vrms = 6V)


それなのにNJM4580Lは5V/μs、NE5532ですら9V/μsですから。


ちなみにノンオーバーサンプリングならスルーレートは1.66V/μs、セトリングタイムは11.34μsでいいことになります。多分、ノンオーバーサンプリングDAC向けにはNJM4580、NE5532で問題なかったんだと思います。それが8倍オーバーサンプリング時には2.8μs毎に変化するDAC出力データに全然追従していなかったことになりますよね。音が変わるわけだ(^^;)


あ、ということはONKYO SE200-PCIDAC WM8740なんかに対しては・・・44.1kHzでの再生以外は音悪いんじゃ・・・?今のところ、補足:ONKYO SE200-PCIのアナログ出力を聞く場合にはASIO4ALLを使ってCDからのリッピング・データの再生のみなので44.1kHz 16bitのデータをリサンプリング無しで聞いてますけど。それに高精度クロックなのは44.1kHz用だけだという話もどこかで見かけたような気もします(^^;)補足:これは勘違いだったかも?