Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか


アブダクティー(グレイなどのエイリアンに誘拐されたと信じている人々)というのも面白いですよね。その体験?のきっかけはいわゆる金縛り状態にある場合が多いようです。夜寝ているときにふと眼が覚めると部屋の中に他のものの存在を感じてそちらを向こうとしても首が動かず体も動かせず叫ぼうとしても声も出ない、その存在は枕元に近寄ってきて・・・いつの間にかまた眠りに落ちていたのか、眼が覚めるとあれは何だったんだろうと悩み始めて、日常の不都合や体の不調の原因がそれではなかろうか?とあれこれ思い巡らせているうちに、似たような体験談に本や雑誌、テレビやインターネット、クチコミなどで知り、「専門家」に相談しようと思う。そして「専門家」から解釈を聞かされるとなるほどそうかもしれないと思うと、日常のあれやこれやが途端に関連付けられるように思う・・・


アメリカのアブダクティーの場合はその専門家はカウンセラー、特にいわゆる逆行催眠を治療に取り入れたりしている人たちで、日本の場合は自称霊能力者だの霊媒だったり。実際、色々な意味でアブダクティーと日本で寝ている間に幽霊を見たと言っている人たちはよく似ています。


金縛りは条件さえ合えば起こりやすいもので、私の場合は体が疲れているときなどにこのまま寝てはいけない(肌寒くて風邪をひきそうなど)と思いつつ仰向けに寝ているときに、金縛りとそれに伴う夢を見ることがあります。部屋の中や枕元に何かが来たというものの場合もあれば、天井の照明の辺りから顔に何か(大ムカデとか(^^;))落ちかかってくることとか、単純に起きなきゃともがくこともあって完全に眼が覚めると息苦しい状態が残っていて非常にだるいです。これは睡眠麻痺とかいわれるもので、この本では催眠周期のずれと言われています。人が寝ている間、手足が勝手に動かないように神経がブロックされている状態があってこのときに眠りが浅くなって半分覚醒した状態になると金縛りにあうとされています。


著者は心理学者で記憶の研究、逆行催眠により幼児期の性的虐待の体験を思い出したとする人たちの記憶の確からしさの検証実験(言葉やイメージなどを対象にした暗示のかかりやすさに、性的虐待を催眠によって思い出したと主張する人とそうでない人で違いはあるのか?など)に関連してエイリアンに誘拐されて検査や実験などを受けたと信じているアブダクティーに興味を持ち、面談しています。


この本は学術的というよりもエッセイに近くて別に実験レポートでもないし、アブダクティーの体験に物的証拠があるのか言葉の信憑性がどれくらいあるのか徹底検証したものでもありません。そもそも著者はエイリアンが人々を誘拐しているなどとまったく信じていないし(^^;)ただ、アブダクション(誘拐)の体験がその人たちにどういう意味を持つのか理解を示しているだけです。心理的な事実として当人にはリアルだという意味で。


簡単に言ってしまうと、自分の人生で色々な不都合を感じている人がその原因をエイリアンに誘拐されたとか霊の仕業とかと外部に求めた方が、全部自分が悪いと思うよりもかえって健全になれるんじゃないか?ということですね。ある種の責任転嫁ではあるでしょうが、そうした方が先に進める場合もあるんでしょうね。


アブダクティーの多くが体験自体は恐怖が伴うものであったとしながら、自分が選ばれた、より大きな世界とつながった感じがするということで有意義な体験とみなしているそうです。


それにしても国民性というかアブダクティーにアメリカ人の白人に多いというのは面白いです。日本にだって映画など(「未知との遭遇」とか)が入ってきているので、日本人の中にもアブダクティー妄想を持つ人はいそうですけど。私なんかSF映画が好きでUFOにも興味あるのに、UFOを見る夢を見たことはあってもいまだに金縛りがアブダクションにつながらないのは残念至極。どうせなら美女のエイリアンにアブダクションされる夢がいいなぁ(^^;)

なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか (ハヤカワ文庫NF)

なぜ人はエイリアンに誘拐されたと思うのか (ハヤカワ文庫NF)