「GTA」を筆頭に暴力を売り物にしたゲームの販売規制を始めた自治体の話題をNHKの「クローズアップ現代」で取り上げていました。
規制条例は知事自らが主導で作ったそうですが、きっかけは自分の家族を殺した男がその手の暴力ゲームを愛好していたこと。
当然、表現の自由の侵害だとか、「自分も同じゲームをしているけど人を殺していない」、800万本も売れているソフトのプレーヤーが全員犯罪者になるとしたら今頃は大騒ぎだとか異論、反論が出ています。
私個人としては、「GTA」も「POSTAL」もやったことありませんが、その手のゲームを別にやりたいとも思わないし、この世に存在しなくても構わないと思ってます。特に小さな子供には見せない、やらせないというのは絶対に大事なことだと私は信じています。
一方で番組の後半、暴力ゲームを遊んだ人間のほうが攻撃的な言動が少なくなる傾向にあるという研究者の報告が紹介されていました。ただ、サンプリング対象が成人男女だけでは価値が低いと思います。
子供への影響の度合いは、成人へのそれとはまったく違うと思って良いと思います。
この際、「表現の自由」などというのは無視しても構わないと思うし、暴力ゲームを遊んでも犯罪に結びつくとは限らないという反論は意味が無いと思います。暴力ゲームによって犯罪発生率が下がれば良し、上昇するまたは変わらないというのであれば販売禁止などの対象にしても構わないと思っています。
上に書いたように私にとっては無くても構わないものだし、そもそも犯罪を犯したり通行人を殺しながらポイントを稼ぐゲームなどというのは、それで商売しようということ自体、罰当たりだし発想が異常です。
ただし・・・上記、研究結果もあるし、また正義の味方として悪を懲らしめるゲームをした方が、攻撃性が高まるという研究の報告があることも知っています。
人間、ダークサイドを持たないかのように振舞ったり、見てみぬ振りをしたり、暗い欲望を抑圧したりするとろくなことにはなりません。「ダーククリスタル」が象徴的に描いているように光と影、光と闇は一体でバランスが取れるようですから。
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それに、知事を規制に踏み切らせた事件の加害者も結局は実行してしまい、手口もゲームからヒントを得た形になりましたが、こういう奴はゲームがあろうがなかろうがいずれ犯罪者になっていたのではないかと。それを暴力や残虐なシーンを売り物にするゲームが代償行為になり、犯罪の実行を遅らせていた可能性もあるのではないか・・・とも思います。
となると、やはり規制は年齢制限のみが妥当ではないかと・・・。買ってでもそいういった類のゲームを遊びたいというダークな欲求を持つ人間から完全に取り上げてしまうと逆に実際の犯行に走らせることになりはしないか?という考え方もできるでしょう。人間、欲しいとなると何でもすることはオークションを見れば分かります。違法と分かっていても、輸出入禁止の希少動物は欲しいし、エアガン改造パーツも欲しいし、海賊版DVDは欲しいし、脱法ドラッグは欲しいし・・・まさに欲求の奴隷です。
「アメリカン・ナイトメア」でホラー、スプラッターを見ることは精神を鍛える訓練だよ・・・と販促メッセージのようなことを某監督が言ってましたが、そういった欲求のはけ口だよ・・・とは公には口にしにくいでしょうねぇ。