Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

真空管のチェック


最近まとめて買い込んだ真空管のチェックをしました。キョード−は初期不良1週間、BOI Audio Worksは90日間保証ありですので、少なくともキョードーで買ったTRONALのEL84と12AX7だけは今週中にチェックしなければなりません。


Cayin HA-1Aを机の上においてカバーを外したまま動作チェックをすることにしました。音源はPC側のSE-150PCIからRCAケーブルで引いてきます。RCAケーブルはaudio-technicaのGATE LINKシリーズの3mに交換しました。またPCケースの側面に自作でつけた空気取り入れ口のアルミ製ファンガードがホコリで目詰まりしていたので掃除機で取りました。ついでに電源ケーブルの根元に100円ショップのアルミテープを巻いてフェライトコアをつけました。アルミテープはあくまで太さ調節のためですが、もしかしてノイズ対策の効果があればいいなとも思います。さらにキーボードとマウスのコネクタそれぞれの根元にもアルミテープを巻いて小さめのフェライトコアをつけました。それと・・・ダイソー備長炭シートから黒い薄い部分だけを剥いでPCケースの側板の内側と天板の内側に両面テープでとめました。気休めですが、PCケース内部の発がん性物質といわれる粉塵を吸着してくれることと・・・もしかしたら電磁波を僅かでも吸収して熱に換えてくれないかと・・・。


そのどれが一番効いたのか分かりませんが、先日も悩まされたPCのLINE OUTにのるノイズはほとんど分からないほど軽減されました。HA-1AにつないだままHDDのデフラグをしてもノイズを感じません。


作業はHA-1Aについてきた手袋をして行います。まずは、TRONAL EL84のチェック。JJのEL84を外して交換しました。このTRONAL EL84の足は焼けたように鈍い色をしています。生産年度はそれぞれ89年、92年でした。爪楊枝でこすっても何も出てきませんし光沢も出ません。サンハヤトの端子復活剤を綿棒につけてこすってみたら綿棒に若干の錆がついてきました。私のようなレベルの低いにわかオーディオ・ファンが神経質になることも無いでしょう。電源を入れるとしばらくはER-4Sから金属のきしる音がします。しばらく置いて聞こえなくなってから、WMPで適当に曲をかけてみました。「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」の「黒門開く」好きなのでかけました。うーん、低音が全然足りない気がします。またあらためてエージングをしてみないと分かりませんが。


ボリュームを下げてからトライオードからウルトラリニアに切り替え。ブチンと大きな音がして心臓に悪いのですが最近はいちいち電源を切らずに切り替えてます。真空管アンプは電源再投入はしばらく時間を置いた方が良さそうなので時間がもったいないからです。


次に、TRONAL 12AX7のチェック。電源を切る前に通電中の真空管の温度を測ってみました。前にアルミカバーの開口部で測ったときは50℃でしたが、出力管(EL84)の上部に温度計をあててしばらく置くと66℃で安定しました。電源入れたての真空管はそれほど熱くないみたいです。また、電源を切ってすぐに12AU7に温度計をあてると41℃程度でした。


しばらくおいてからSOVTEK 12AX7WAを外してTRONAL 12AX7と交換しました。TRONAL 12AX7の足はいかにも未使用らしい銀色です。内部の金属プレートもすべてぴかぴかの銀色です。電源オンしてしばらく待ちましたが、金属のきしるような音は比較的早く消えたように感じました。今度は宮下富実夫の「KAERITA」をかけました。シンセサイザーを使った曲です。特に問題無いようです。ついでなので、通電したまま真空管を軽くつついてみました。キンキン、コンコンイヤホンから響きます。マイクロフォニック・ノイズってやつでしょうか?出力管の左右をそれぞれつついたところ、右側のEL84をつつくとイヤホンの左側から大きく、右側からもやや小さく鈍く音がします。左側のEL84をつつくとイヤホンの左側からしか音が聞こえません。何故なんでしょう?


キョードーで買ったTRONALのEL84と12AX7は問題無しでした。(このあとでEL84に問題ありと思うようになり、交換をしてもらうことにしました)


つづいて他の真空管もチェックすることにしました。electro-harmonix社 12AU7A/ECC82EHを外してRFT 12AU7/ECC82-RFTに交換しました。MADE IN E GERMANYとあります。東ドイツ製ということでしょうか?BOI Audio Worksの紹介文では「RFTは東ドイツ時代のシーメンスの兄弟会社。色付けの無いニュートラルな音質が特徴」とあります。これも足が焼入れでもしたように黒ずんでいます。


電源を入れたところ、このRFT 12AU7/ECC82-RFTの下段部分がやけに大きく光ったのでびびりました。まるで燃え尽きる前のロウソクかフィラメントを思わせる輝きです。おまけにしばらく置いても金属がきしるチリチリいう音がなかなかおさまりません。いやーな感じです。何か混入物が燃えてるんでしょうか?まさかひびでも入っているのでは?なんて心配になります。今度は、梶浦由記.hack//SIGN」から「obsession」をかけてみましたが特に問題は無いようです。つづけて数曲かけてみたら、金属がきしる音はしなくなっていました。安定するまで時間がかかるみたいです。


いったんSOVTEK 12AX7WAとelectro-harmonix 12AU7A/ECC82EHを元に戻して、出力管だけSOVTEK EL84Mに換えました。BOI Audio Worksの紹介文では「ロシア軍が制式採用した EL84の高耐圧、高損失バージョン」とあります。電源を入れてみるとやっぱり安定するのがさっきより早いです。今回はカラヤンベルリン・フィルの「ベートーヴェン交響曲4番」かけてみました。ついでにまた出力管をつついてみると・・・右をつつくと右のイヤホンのみに、左をつつくと左のイヤホンのみにコンコン音がしました。根拠はありませんが、さっきのTRONAL EL84のペアより信頼できる真空管のような気がします。今回は導通チェックなのであまりこだわらずに先に進もうと思いますが、なんとなく好みの音のような気がします。


今度は出力管をJJ EL84に戻して、初段の増幅管をSOVTEK 12AX7WAからElectro-Harmonix 5751EH GOLDに換えました。Electro-Harmonix 5751EH GOLDは足に金メッキが施されています。 「ファクトリー選別品」とのことで、質の良いもののようです。ところで表面には5751 SOVTEKと表記があります。Electro-HarmonixはSOVTEKのOEM(逆?)だから同じってことでしょうかね?


ウルトラリニア接続のまま電源を入れてみると、やはりホワイトノイズは多めに感じますが、金属のきしる音が全然しません。安心して使えるというのはこの辺のことなんでしょうか?それともたまたま?で、また出力管のJJ EL84をつついてみました。今度も右をつつくと右のイヤホンのみに、左をつつくと左のイヤホンのみにキンキン音がしました。今回は冨田勲「DAWN CHORUS」から何曲か聴いてみました。問題なし。SOVTEK 12AX7WAと比べると出力ゲイン低めだそうです。5751EH GOLDはつついてみてもあまり高い音がしません。


次に、5751EH GOLDをSovtek 12AX7LPSに、JJ EL84をelectro-harmonix EL84EHに交換しました。electro-harmonix EL84EHはHA-1Aに最初から付いていたものです。Sovtek 12AX7LPSは「Sovtek の最高峰12AX7。シーメンズのデザインをもとにする。」だそうです。これヒーターのフィラメントがらせん状(巻き?配線?縒り線?外側から見えないのでよくわかりませんが)でノイズ対策に有効なんだそうです。細かい評価はまた後日にして先に進みます。electro-harmonix EL84EHも、右をつつくと右のみに、左をつつくと左のみに音がしました。TRONAL EL84だけおかしいですね。試聴したのは佐橋俊彦「THE BIG-O ORIGINAL SOUND SCORE II」から「RESPECT〜UPPER WEST SIDE」など。


次は、Sovtek 12AX7LPSをGroove Tubes 12AX7M ムラード・リイッシューに換えました。これは今回の本命です。足にキャップのようなものが付いてました。電源投入したては特に変わったことありません。右からキンコン音がするのは右の出力管が熱できしんでいるのでしょう。今回試聴したのは和田薫宇宙の騎士テッカマンブレード OST」から「砂と廃墟と黄金の地で」他。聴きはじめると・・・ん?なんか良いかも。このCDは少し前にもHA-1Aのスピーカー出力で聞いていたんですが、TVオンエアやLD、DVDと見てきた(好きなもので(^^;))劇中で聞いていた曲の迫力が足りないような気がしてました。それがちょっと響きが豊かになったような・・・おいおい結局プラシーボか?ってつっこみがありそうですが、それでもブラス系の響きが良いという気がします。


ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」の「黒門開く」を聞きなおすと・・・やっぱり金管木管、弦、スキャットの響きが良くなったように感じます。勘を信じて初段はGroove Tubes 12AX7M ムラード・リイッシューでいこうと思います。まぁ、12AX7系はたくさんあるので定期的に交換してみればいいことですし。


その上で出力管を聞き比べて好みの音を探しました。SOVTEK EL84Mは響きが抑えられる傾向がありました。かっちりした音です。好みといえば好みですが、「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」や「テッカマンブレード」のBGMからはったりの効いた響きを取ってしまったら面白くないと思います。JJ EL84はそれと比べると響きは十分ですが、何となく音が頭の上にあつまってもやもやとたゆとう感じがします。


TRONAL EL84を再度つけて試そうと思いましたが、やっぱり何かおかしい。左右の管を(通は球というらしいですが)入れ替えてみると今度は左をたたくと左にも右にも音がします。右を叩くと右だけで聞こえます。おまけに右からブーンというかすかな音が・・・これがハムノイズでしょう。HA-1Aで初めて聞きました!実際にボリュームを上げて音楽を聴いてみるとそう悪くないです。ただ気のせいかざらついているような気がします。それに右のハムノイズが消えません。


最後に戻ったのがelectro-harmonix EL84EH。やっぱり違います。JJ EL84と比べると相対的に音が地についた感じ。「黒門開く」のリコーダー?の切なくなるようなはかなげな響きもこちらの方が好みです。


あくまでER-4Sをつなげて聞いた場合の私の好みですが金管木管の響き重視で、Groove Tubes 12AX7M ムラード・リイッシュー、electro-harmonix EL84EH、electro-harmonix 12AU7A/ECC82EHで決めました。