Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

5.1chサラウンド・ヘッドホン 5D1 USB

インストール


中古を入手しました。パッケージはまるきり中国製でしたが、説明書はサンコーというところが付けたユーザーズガイドが入っていました。


中身はヘッドホン本体(6pinコネクタ)、ボリュームユニット(USBケーブル付き)、ドライバCD、日本語ユーザーズガイド、中国語説明書他。


USB(1.1もちろん2.0でも可)につなぐだけでサウンド・カード不要、5.1chサウンドを楽しめる、というものですが、基本的に他のサウンド・カードとの共存はできないことになっています。


試しにメインのPCでサウンド・カード(SE-150PCI)は実装したまま、ドライバソフトのアンインストールとデバイスドライバでSE-150PCIの無効指定を行って「5D1」をインストールしてみました。


この状態だとノイズが非常に激しくて使い物になりません。マウスを動かすたび、ハードディスクが回るたびにジージー、ザーザーとノイズが載ります。まぁ仕方が無いとして・・・。(これはもしかしたらUSB1.xのUSB延長ケーブルに繋いだせいかもしれません)


実家のセカンドPCで、サウンドカードを外して完全にアンインストールしてから「5D1」をインストールしました。この場合は耳障りなノイズはほとんど感じられません。(PC背面のUSBコネクタに直接繋いでいます)


ハードの接続は簡単で、接続直後から音は出ます。ドライバのインストールも特に問題ありません。問題は・・・同じCD内の「5D1」に最適とされるWinDVD。これはメインPCでもセカンドPCでもDVDなどマルチチャンネル・ソースのファイルやメディアを再生しようとすると落ちてしまい使い物になりませんでした。もしかしたら既にインストールしてあったPowerDVDやWinDVD5などが運悪くリソースの競合など起こしていたかもしれません。


セカンドPCではマザーボードにバンドルされていたWinDVD5でちゃんと再生できました。ただし、添付CD内のsampleのvobファイルは音が出ませんでした。(メインPCのPowerDVDでは一応再生できて音も出ました)このとき、気をつけなければいけないのは、エフェクト・ボタンやドライバでフィルターを使用しないこととWinDVDの場合、5.1chソースを再生中でなければオーディオ設定を変更できないこと。


説明書が簡単すぎてフィルターの役割やWinDVDの癖など理解するのに一時間ほど試行錯誤しました。


ハードウェア


ハードウェアとしての「5D1」はUSBコネクタに接続するボリュームユニットとヘッドホン本体からなります。楕円形のボリュームユニットにはひし形にボタンが配置されており左右が音量の大小、上がエフェクト(フィルター(後述))スイッチ、下がミュート。


ヘッドホンはウィングを収納した状態だとごく普通の形で色が派手なヘッドホン。手触りは表面にゴムのコーティングがされたようなしっとりした感じ。ヘッドホン・アームはありがちな2本の鋼材ですが、柔らかめ。ヘッドバンドはベルベット風の人工素材。イヤーパッドは・・・イヤーパッドは・・・ありません(^^;)


というか、通常のイヤーパッドとは違って耳を覆うとか押さえて密閉するものではなくて耳の上で側頭部を押さえかつ耳介の上にひっかけて支える感じの半円形の固めのパッドがありこれも外皮は黒いベルベット風の人工素材。装用すると左右のバッフル板の下側は完全に浮いていて遮音性は皆無。STAX以上に音がだだ漏れ状態ですが、この形状は展開した前後のウィング先端のスピーカーの音を聞くために必要な形です。


側圧は弱め。1時間以上使ってみても圧迫感はほとんどなく疲れにくいものでした。


特徴的なウィング・スピーカーは前がセンター、後ろがリア。サブウーファー用スピーカーは無いようですがLFE成分としてフロントなどにミックスされているようでフィルター使用時のみ増減可能です。ウィングを展開して装用した状態はガンダムというよりは、「SoltyRei」や「バブルガム・クライシス」などの園田健一風メカデザイン(笑)


分解してみたいところですが、バッフル板のようなものが接着されていて破壊せずには分解できそうに無いので躊躇しています。


音の方は、基本的に高音よりですが、Starfish 5.1chをONKYO SE-150PCIに繋いだ場合よりも聞きやすい音と感じました。


フィルターを使うと6chのボリュームを±20dBの範囲でソフト的にコントロールできますが、これはバーチャル・サラウンドと同じ役割のもので2chソースを2.1chまたは5.1chにバーチャルに拡張するものです。このLFE(サブウーファー)を増やすと結構なズンドコ・サウンドになりますが、スピーカーテストする場合にはLFEの音量にご注意。スピーカーテストではデフォルトでも不快なほど大きい音になります。


DVDなどの5.1chソースにこのフィルターを使おうとすると「5.1chソースに使うと元の音をいじってしまうので、DVD再生では使わずCD再生に使ってよ」という意味の警告メッセージが出ます。無視して5.1chソースに使うと本来のセンターやリアが消えてしまいます。


たとえば「ブラックホーク・ダウン」をテスト用に持ってきて再生しましたが、フィルターを使用しない状態だと低音がやや不足した感じを受けますがフィルターをONにするとセンターの音声が消えてしまいます。WinDVDでオーディオ設定を2chのダウンミックスにしてフィルターONの方が何となく迫力があるように感じてしまうのはサブウーファーが無いせいかも知れません。


音像の定位は、恐らく5.1chサラウンド・ヘッドホンとしては並かも?ドライバのスピーカーテスト中のサラウンド・テストでは周回する音源の前後関係は割と分かりやすいんですが、RightMark 3DSoundで同様の周回する音源を聞くとフィルターON/OFFに関わらず前後関係があまりはっきりしません。スピーカーテスト中のサラウンド・テストの音源はいじってあるような気がします。


ただ「ブラックホーク・ダウン」でも後ろから前へ抜けるようなヘリの音などは良く分かりました。PCの3DゲームなどではMM GEARと同等かそれ以上に前後関係を感じられる可能性があります。


評価


(+)プラス面


音は聞きやすいし、長時間の使用でも疲れにくく蒸れにくいので使いやすいと思います。サウンドカードも不要でUSBケーブルをつないでドライバをインストールするだけで使えます。


ソースによっては音像の定位も良さそうです。デフォルトで2chソースをバーチャル・サラウンド化のようなことができ、その状態だと6chの音量を調節できます。普通は6chの音量調節といってもフロント/センター/リア(/サブウーファー)の実質3〜4chの音量調節です。


(−)マイナス面


最近気に入っているRSJ-HP680と比べるとサブウーファーと振動が無い分、映画を視聴するにはやや寂しい気がします。


他のサウンドカードと共存できないのに、LINE-OUTもLINE-INもデジタル出力も無い(国内未発売の上位機種にはLINE-OUTなどがある)ので、それらの必要性が出た時点でお払い箱にするしかない。


EAXに対応していない。


USB接続しかできないしヘッドホン側のコネクタが特殊なのでアンプ部差し替えなどによる音質向上は一切望めない。


ボリュームユニットから伸びているUSBケーブルとヘッドホン・ケーブルを較べるとUSBケーブルが短く(1〜1.2m?)ヘッドホン・ケーブルが長い(1.5m?)ので不便。正確に測ったわけではありませんが、ミドルタワーのケースの背面にUSBケーブルをつなぐと、ボリュームユニットがケースの前30cm程度までしか届かない。リモコンというのは普通、ヘッドホンに近くなければ使いづらいと思うのでこのケーブルの長さは半端。というかおかしい。ボリュームユニットを使おうとするとヘッドホンケーブルが長すぎてとぐろを巻くのは必定。

ただボリュームユニットの機能はドライバからすべて行えるものではありますが。


遮音性皆無なので使用する場合、同じ部屋にいる人間が迷惑する(^^;)


また、遮音性皆無なのはヘッドホンとしてどうなのか・・・?


と思ったんですが、別にヘッドホンだからといってどうしても遮音性が高くなくてはいけないわけは無いことに気が付きました。STAXのおかげです(^^;)外に音が漏れないこと、外の音が聞こえないことなどを目的に遮音性の高い設計を目指したヘッドホンもあるでしょうが、中には形はそのようなヘッドホンと同じであっても設計の主眼が違うという場合もありえます。


結語


セカンドPCの方で試しに使ってみてすぐに取り外そうと思っていたんですが、蒸れにくいので真夏の使用に向いているんじゃないかと・・・もうしばらく使ってみることにします。それに中古とはいえエージングもされているかどうか分からないほど美品でしたのでちょっとエージングを試してからでもいいかなと。ちなみにオーディオのエージングに評判が良いXLO Test&Burn-in CDをサウンドハウスに注文しています。ER-4Sの黄色スポンジも一緒に頼んだのでそれが入荷する中旬以降の到着予定です。


ところでこの「5D1 USB」の場合、上にも書いたように展開した前後のウィング先端のスピーカーのセンター/リアの音をはっきり聞くためにパッドの前方から後ろ斜め下方にかけて大きく開いた状態になっているわけですが、蒸れにくくなっています。


STAXのイヤースピーカーもパッドを部分的に欠いた開口部のある状態にすれば真夏の使用でも蒸れにくくなるんじゃないか?なんてふと思いました。実際、SR-303のパッドの形状って四角い4隅が分厚くて4辺の真ん中が薄くなっています。これをもっとぺちゃんこにすれば4辺から風通しが良くなるんじゃないでしょうか?どうせ音はだだ漏れなんだし(^^;)


幸い、SR-303のパッドは両面テープのようなもので固定されているだけなので、いったん剥がして加工するなり試験的に加工した代用品をつけることで試せるんじゃないか?と思ったりしました。