Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

レンズリフレッシャーの効果を検証する


注意:今回のテスト結果は限られた条件のものです。機能や性能を正しく評価しているとは限りません。また、このテストは危険なものですので、ある程度の知識と経験のある方以外は追試を奨めません。万一、真似をしてドライブや製品を壊したり、感電、ショート、失明、指切断など損害を出したとしても一切責任は負いませんので。(実際にありえることばかりですので真面目に受け取ってください)

前置き


レンズリフレッシャーという非接触式のクリーナーがあります。穴の開いたCDやDVDのディスクですが、気になるアイテムなので買ってみました。


以前からブラシ式のレンズ・クリーナーは使っていますが、PLEXTOR PX-755Aの説明書には「ブラシ式のレンズ・クリーナーは使ってはいけない」と明に書いてあるので使うのはためらわれます。が、PX-755AだけでなくGSA-4163Bもそうでしたがレンズの形状が中心が尖った円錐状のようでそもそもホコリが載りにくい形状なのでクリーニングは必要ないのかもしれません。


それでも、ちょっと動作がおかしいと思われるときにブラシ式のレンズ・クリーナーを使って好転したことは何度かあるのでレンズ・クリーナーは必要だと感じます。


レンズリフレッシャーにそれなりの効果があるのであれば、非接触式でブラシ式と違って半永久的に使用可能(ブラシ式はブラシが痛むので100回程度が寿命)というのは非常に魅力的です。2000円程度なら安いくらいです。(定価は非常識に高いようですが)


通販のページやパッケージにはイメージCGとC1エラーの減少過程を示すグラフなど出ています。レンズリフレッシャーが回転するとディスクに開いている穴から下に向かって竜巻のような空気の渦が発生して、レンズから細かなゴミを吹き飛ばし、使用し続けることでC1エラーを減少または一定数以下に保つという・・・。


・・・おそらく私も含めて購入した人の半数もそれらメーカーの説明や実証結果など信じていないでしょう。話半分に受け止めて、誰にする言い訳でもないですが「まぁ、気休め程度に」と言いながら買ったと思います(^^;)


さて、実際に使ってみてうちのすべての光学系ドライブの使用には特に問題はないことは分かりましたが、効果がイマイチ実感できません。気休めにしても実際どの程度の気休めなのか?知りたくなりましたので実験してみました。

準備


使わなくなって外しておいたDVD-ROMドライブがあるのでそれをUSB外付けケースに入れて使いました。




準備としてクランパーの付いているカバーを外して、ピックアップ・レンズに直接ゴミを載せます。ゴミはCDリングプロテクターを紙ヤスリで削った粉にしました。この前、もしもPX-755Aの内部に破片が撒き散らされていたとしたら・・・という状況のシミュレーションです。このドライブのレンズはReadオンリーでWriteはできないからか古いタイプのレンズです。うちにあるCDPのレンズはすべてこのタイプのはずです。



「かなり派手にばら撒きました。ただ紙ヤスリではこの前のような色鮮やかな緑の粉にならず残念です。」



「ドライブにレンズリフレッシャーを一度入れたものの、ディスクが認識されて自動再生メニューが出る前にイジェクトした直後。ディスクの回転だけでもかなりの風が生じたので、念のためチェック。(レンズリフレッシャーのクリーニング機能を使わずともディスクを入れるだけでクリーニング効果があったというのではシャレにならない)」

実験 その1



「レンズリフレッシャーによるクリーニング1回目・・・全然変化無い様に見えますが(^^;)肉眼では若干ゴミが少なくなった感じをうけます。比較的大きな塊が無くなったようです。」


レンズリフレッシャーは私が持っているブラシ式のレンズ・クリーナーと違ってディスクを入れただけではレンズをクリーニングしたことにはならず、5トラック目の再生がレンズ・クリーニング作業です。ちなみに最初のディスク認識直後は読み込みエラーが生じたようでWindows Media Playerのプレイリストの5トラック目に「?」マークが付いて再生できませんでしたが、イジェクト&再読み込みで問題なく再生できるようになり、以後10回とも5トラック目をスムーズに再生しました。



「レンズリフレッシャーによるクリーニング10回目・・・肉眼でも1回目と変化無いように見えます。」



「レンズリフレッシャーによるクリーニング10回目の別アングル・・・。・・・。」

実験 その2


なんだか100回繰り返しても変化無いだろうという無力感に襲われたので、比較のために上述の状態のままブラシ式レンズ・クリーナーを使ってみました。



「ブラシ式レンズ・クリーナー1回目 かなり綺麗になりました。ゴミはブラシのそばのディスク上に付着していました。ディスクの回転で摩擦による静電気でも発生しているんでしょうか?」



「ブラシ式レンズ・クリーナー10回目・・・本当は10回も連続して使うのは好ましくないらしいですが、惚れ惚れするくらい綺麗になりました。」


私のブラシ式レンズ・クリーナーはPS2用に買ったものでテレビゲーム機用となっています。1トラック目再生からナレーションが出るまでの10秒間でクリーニングは完了です。10回のクリーニング中、トラッキングが外れたのかピックアップが2回ほどおかしな動きをしました。(レンズリフレッシャーは徐々に高くなる電子音でできた効果音を1分以上聞かされます)




「ブラシ式レンズ・クリーナー10回目の別アングル。レンズ周辺も見事にクリーニングされています。」

評価


うーん、まぁ好意的に見るなら、今回のようなプラスチックの粉のようなゴミはレンズリフレッシャーは苦手なのかも知れません。もっと風で動きやすい大きな糸くずとか、ゴキブリの1令幼虫、猫の毛などは吹き飛ばしやすいのかもしれません。


ちなみに実験を通して音とびとか再生音の異常というのは感じませんでした。ちっとやそっとのホコリでは音跳びは起きないんですね。意外といえば意外でした。もっと大きなゴミで確実に読み込みエラーになる状態で実験しなければいけなかったかも知れません。


しかし・・・このレンズリフレッシャーは風を起す穴の位置の関係上、5トラック目を再生しないと穴がレンズの上に位置しないと思うんですが、深刻な読み込みエラーの場合5トラック目を再生できない可能性が・・・ダメじゃん。


追記:ひとつ、大事な?ことに気がつきました。この穴の位置なんですが・・・穴の縁が録音が終わっている位置よりも2〜3mm外側にあるので(穴の中心そのものは5mm程外側)、この穴がレンズの真上に来るのは・・・ピックアップがディスクの中心に向かうほんの一瞬のことで5トラック目を再生しているときでもレンズの真上には来てないような気がします。CDの仕組みから考えれば当たり前のことだったんですが、イメージCGに先入観を与えられたため、5トラック目の再生中に穴がレンズの真上を通ってピンポイントで風が当たっているんだと思い込んでいました。穴が開いていながら音声が再生できるのはすごいなと思っていたんですが・・・。これでは15分程度録音したCDに穴をあけてるのと同じことです。


で、日常の使用方法としてはとにかく光学系ドライブの電源を入れたらまずレンズリフレッシャーを使っておくことにします。もしかしたら使っていない間に、ゴキブリの幼虫がたまたまちょうどレンズの上でお亡くなりになっているかもしれないし。本当に「気休め」のために。


実際に異常が起きたらブラシ式レンズ・クリーナーの出番です。これは本当に効果があります。下手すると故障の原因になるかも知れないって問題はありますが・・・。


PLEXTORなんか、もしかしたらブラシ式レンズ・クリーナーを常用していて故障した場合は保証責任外?CDが普及し始めて20年以上経過しているのになんでこんなことで悩んでいるのか、我ながら不思議な感じ。


追記:冒頭でそれなりの効果があるなら2000円なら安いと言いましたが、検証後の価値評価では・・・1000円でも高い・・・かな?