Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

KURAU


今回も面白かった。ボンズも良い話を作るじゃないですか。「ラーゼフォン」は原作のせいか人の性格の暗部というエグ味があったんですが、「KURAU」は主人公の周辺に善意が感じられてほっとします。しかし、次回はなかなか凄惨なことになりそう。権力が容赦なく行使された場合のきつい現実も描きつつ、落としどころ=救いをどう持ってくるつもりなのか・・・安直なものでないことを期待します。


筒井康隆の「七瀬ふたたび」を思わせる展開になってきましたが、あの特殊部隊というのはリナクスを人間に取り込ませたリナ・サピエンではなくてスーツにリナクス・エナジーを駆動する仕組みがあると見ました。冒頭でもリナ・サピエンが人格的にも物理的にも不安定な存在であることが総括されていましたから、リナクスを純粋にエネルギーとして使う技術、リナクス・テクノロジーを完成させつつあるのでしょう。それはクラウの父が研究した人間に取り込まれたリナクスを抽出する技術が基礎になっているに違いありません。彼自身は、リナ・サピエンを救うつもりで研究したのでしょうが、リナクスを人間の体の中で同定しそこから抽出するには、安定化が鍵を握るはずです。いまだに夢の技術である常温核融合などからの類推ですが。


SF的な発想として、リナクスとはこれまでのところ別次元に存在する高エネルギー生命体ってところでしょう。「KURAU」の世界の人間はリナクスを現在のブルー・エナジーに変わるエネルギーとみなしてその発生源や意味を考えず、量子論で考えられるレベルの物理的存在として利用しようと実験して月の事故を引き起こしたようです。不幸だったのはリナクスが単なるエネルギーではなく人格を持ち、こちら側の世界では人間に憑依・同化しやすかったということでしょう。


ところで、私の記憶が正しければ・・・あまり突っ込んで触れられていないようですがブルー・エナジーも技術開発中に事故があったそうで・・・リナクスは実はブルー・エナジーの事故で異次元、虚数界のような非ユークリッド幾何学的な世界に存在の形態をゆがめられ閉じ込められた犠牲者たちだ、という解釈はどうでしょうか?「伝説巨神イデオン」の「イデ」とか「スーパーマン」の「ファントム・ゾーン」みたいなものだと思えば良いのでは?そうでなければ第1話でクラウに同化したリナクスのこの世界へのスムーズな適応が説明しにくいと思います。同化された人間の記憶は同化したリナクスによって徐々に思い出されるようですし・・・リナクス自身にある程度この世界の記憶があるとしか思えません。


いずれにせよクライマックス、これから謎解きもなされるでしょう。楽しみです。