読了しました。
「終戦反乱」宮城事件とか終戦時の反乱事件について全く知りませんでした。太平洋戦争自体これまで避けてきたというのはありますが、NHKスペシャル程度は見ていたはずなんですけど・・・あまり取り上げられないんでしょうか?それとも私があえて無視してきたのかな?
その他「大本営の二〇〇〇日」「戦藻録」などが特に印象的でした。
「戦藻録」当時の戦争推進派の考えとはこういうものだったか、と驚きましたが、これは貴重ですねぇ。艦隊司令長官、宇垣纏・・・8月11日、原爆を落とされソ連も参戦し、というどん詰まりの状況だたはずなのにまだ「我には猶十分なる戦力あり」だの「天皇を擁して一億ゲリラ戦を強行して決して降伏に出づべからず」と。
4月に戦艦大和が沖縄特攻してるんですよ?艦隊司令長官がこれだもの。危なかった・・・本土決戦などされていたら今頃どうなっていたか。
そんなだから最後まで終戦工作からは聾桟敷に置かれていたようで・・・、玉音放送の後に少数の戦闘機で沖縄特攻したという気持ちも分からないでもないですね。
しかし、これが戦争を主導・推進していたものたちの大部分の当時の純粋な姿なんでしょうねぇ。「戦藻録」は日記を記した人自身が終戦と同時に死んでしまったので、戦後生き延びた側の保身、自己弁護、または他者の擁護などの様々な動機から生じる歪曲や隠蔽、改竄、正当化などの「濁り」とは無縁でしょうから。これも貴重な記録。抜粋ではない全編を読むべきですね。