三人の女傑の物語
読み終わりました。機械の意識とか色々と考えさせてくれて面白かったんですけど、とりあえずここまでの三作の読後感を支配するイメージのある特徴について。
まずずっと印象に残っていたのが二作目「グッドラック」のラストのイメージで、クーリィ准将が腰に手を当てて立ちその背後の格納庫から特殊戦の戦闘機が扇状に発進していく勇ましいイメージ(^^;)もしくはクーリィ准将が斜め前方を指さしているとかもっとノリの良い絵でもいいですけど(^^;)
特殊戦がFAFから離れて独自の戦いを始めるというラストだったんですが、クーリィ准将の個性が特殊戦をFAFの中でも特別な存在にしている、クーリィ准将の強烈な個性こそが特殊戦をそのような形に創り上げた、クーリィ准将こそが特殊戦そのものなのだという辺りを読むと自然とそういうイメージが湧いてきました。
そして三作目の「アンブロークンアロー」の冒頭に郵便物(情報とその提供者)を「敵」と「味方」に分けるというリン・ジャクスンの生い立ちや個性を記し、ラストで通路を抜けてきた雪風&深井零と邂逅する清冽なイメージを持ってきてますね。リン・ジャクスンはジャーナリズムを通してジャムに戦いを挑む地球で最もFAFに近いスタンスの「地球人」でジャムと特殊戦とFAFの機械知性体から注目されている存在ですね。
で、一作目の「戦闘妖精・雪風」のラストは古い機体を捨てて自らの個性を新しい機体に転送して不死鳥のように蘇る雪風をフェアリィ星の空に舞う妖精、深井零を置き去りにして去る無情なファム・ファタルとして描いていましたが、「グッドラック」「アンブロークンアロー」を通して雪風はジャムと戦うこと、ジャムに勝つことを至上命題とする機械格(機械の人格)を持った女性と見ると「ジャムと戦う三人の女傑」の物語と受け取れます。
零もブッカーも脇役に過ぎません(^^;)
そして四作目があるとして、それはもしかしたらジャムそのもの、もしくはロンバートとジャムのハイブリッド(子供のような存在?)が四人目の女傑としてラストを飾ってくれたりするとか?想像すると楽しいですw
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