ブルーバックスの古い本ですが図書館から借りてきて読んでいます。身の回りのデジタル音声データの標本化(サンプリング)の周波数が何故44.1kHz、48kHzが多いのか、原理的にも政治的にもなるほどなぁと分かりました。
が、周波数軸が分かったような分からないような・・・また例えば44.1kHzのサンプリングによって間引きされた(としか思えない)アナログの波形がどうして復元できるのかまだ理解できません(^^;)
そもそも、第10章「そして波形は再現される・・・」での標本化(サンプリング)によっては何も失われずただ余分の周波数スペクトラムが追加されただけ・・・という記述の意味が判りません。実際、DACの出力のあとのLPFはその余分の周波数スペクトラムをカットオフしているという役割は理解しているんですけども。なんだかここは「実際にそうなんだから仕方が無い」みたいに誤魔化されているような気がするんですが・・・。
追記:別の本を読んで復元できる理由の具体的な説明が何故無いのか分かりました。これを理解するには「シャノンの定理」を検証しなければならないようです。とりあえず「シャノンの定理」(標本化定理)によって2倍以上の周波数でサンプリングされたものは元の波形を完全に復元できると理解するしかないようです。
第11章「標本化周波数論争」から第18章「クロスインタリーブの原理」までは結構面白かったです。SONYの技術者なんでしょうけど、「クロスインタリーブ」という符号誤り訂正方式を思いついたり16bitのA/Dコンバーターを開発したりという素人と呼ばれる天才の「ケン坊」って誰のことなんでしょうか?もしかして「プロジェクトX」のネタにもなったんでしょうか?
実際にCDに採用されたCIRC「クロスインタリーブ・ソロモン符号」のうち「クロスインタリーブの原理」が詳しく解説されてますが、原理は「数独」に似てたんですねぇ。情報ワード、検査ワードが連続していると連続したワード消失が起きたときに復号できなくなってしまうから、ずらしておいて・・・縦横斜めと一定範囲の合計数が決められているルールを元に空白を埋めていく「数独」によく似ています。
ディジタル・オーディオの謎を解く―CD・DATの科学と開発 (ブルーバックス)
- 作者: 天外伺朗
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1987/03
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