Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

沈黙の艦隊


何年ぶりかで久しぶりに「沈黙の艦隊」全巻を読み返しています。憲法改正と自衛「軍」への改名が現実味を帯びてきている今、昔とは違う種類の興味で読むことができます。


愛蔵版の4巻目を読み終えたところですが、戦闘シーンについては今読んでも特に不満なく楽しめます。


しかし日本の政治家たちについては・・・あり得ない(^^;)天津も海原も竹上も・・・あり得ない。特に海原、あり得ない(^^;)


他の登場人物の中でもソ連の「レッド・スコーピオン」艦長ロブコフは初登場時、前任の艦長を片手で吊り上げて首をへし折るという・・・あり得なさのレベルはMAX。正にマンガ・・・。


ですが、竹上がノラリクラリのありがちな政治屋から信念を持った政治家に豹変した辺りから、もうあり得なさがこちらの許容量を超えてしまって架空の連続ドラマとして楽しむことができるようになってきました。


「たつなみ」艦長、深町はキャラとしては典型的なマンガ向け熱血キャラの風貌と言動ですが、このマンガ?劇画?の中ではもっともリアリティを感じられる存在で・・・東京湾自衛隊として初めて米軍の原子力潜水艦を雷撃で沈めるという、最もあり得なさそうな行為さえもあっさり受け入れてしまえるほど。作中でも直後の展開はその行為の重要さをほぼ無視する形で進むのでこちらもこだわりを持ち続けることができないというか・・・。


4巻目までの重要課題、特定の国家の利害に影響されない常設の国連軍の創設は可能か?その最大の障害は米ソ大国の影響力が大きすぎること、国連における議決権は大国の1票と小国の1票では価値が大きく異なるという不平等が存在することですが、その状況はソ連が崩壊しても全く変わっていないですねぇ。


沈黙の艦隊」で危惧されていた冷戦の終わりの後に来るバランスの崩壊による民族紛争やテロの激化とアメリカの暴走はイラク侵攻とそれに同盟国が巻き込まれたことでいつの間にか現実化していました。

さて、はたして中国もしくは中・朝・ロ、あるいは中・韓・朝・ロが近い将来、アメリカに対するカウンターになるんでしょうか?また、そうなった時、世界全体としてみた場合に今よりも平和になるんでしょうか、物騒になるんでしょうか?


常設の国連軍が未だ夢物語とは・・・


沈黙の艦隊 1 (モーニングデラックス 1411)

沈黙の艦隊 1 (モーニングデラックス 1411)