Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

「日露戦争(三)」児島襄

読了しました。図版のあるページの図版だけ切り抜いてcbzにしたものをkoboに送ってそばに置きながら読みました。便利です。電子ペーパーだから同じページを表示させっぱなしにしておいても構わないですしね。


旅順攻略は・・・二百三高地を落とすまでがひどかった・・・。第一、二、四軍がもう遼東半島を北上していて旅順攻略の第一の目的が海軍の意向を汲んで旅順港のロシヤ艦隊を追い出すか駆逐するのが目的だったんだから、二百三高地を落とすか、そこまでいかなくとも観測地点を得れば良くて北東正面にこだわる理由はあまり無いことくらい冷静に考えれば分かるだろうに、満州軍と第三軍の司令部が意固地になって無駄に兵を死なせて・・・。


せめて現場の指揮官が賢明ならば良かったんですが・・・乃木大将は残念ながら武将としては不明・暗愚の大将だったと。全部参謀に任せて座ってるだけのお飾りの存在なら狸の置物でも良かったでしょうよ。


二百三高地攻略後の工兵を駆使した堡塁爆破の作戦の有効性が、それまでの無駄な白兵突撃作戦の馬鹿さ加減を際立たせています。


北上する満州軍本体の戦いぶりは錯誤もありましたが沙河会戦などで容易に退かない統制の効いた日本軍の長所がよく出ていて、なかなかに良い感じ。


三巻目の終わりは奉天会戦に向けて日本軍が良い形に軍を動かしていくところで終わってます。四巻目もPDF化を完了してます。


個人的に面白く感じたのは、バルチク艦隊を悩ませる日本の外交戦略。当時、日本の努力もあったでしょうが各国の思惑がロシヤを相手にする日本の有利に働いていた「時の運」の良さ。


それと、永沼挺進隊。これは冒険というか壮挙というか・・・「映画化決定」的に痛快な試みでした。きっと映画化されてるでしょうね?ちょっと探してみよう。

(つづき)

ありました。