Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

ホーンブロワー VOL.1 決闘


セシル・スコット・フォレスターの「ホーンブロワー」シリーズは何冊か読んだことがありますが、全巻揃えないうちに最近の本屋の減少、縮小傾向で店頭ではあまり見かけなくなってしまいました。大きな本屋やAmazonなど通販でなら入手可能なようですが。


シリーズ1巻目の「海軍士官候補生」は幸い記憶にあって、今回見たこのDVDでも記憶にあるセリフやシチュエーションに出会うことができました。


原作と違って、ドラマ化されたこのDVDでは時間の経過があまりピンと来ません。原作では、というか帆船時代の軍船の行動は移動にほとんどの時間を費やしていて大砲の撃ち合いや白兵戦などはそれと比べれば一瞬のこと。その辺が、見せ場ばかりを集めた感じのドラマでは感じられないのは残念というべきか、退屈しないで済むので幸いというべきか・・・。


しかし海の上で、風や天候を利用して敵の追跡を回避したり、逆に敵の進行方向を同じく風や潮流、敵の目的や心理状態などから先読みしてインターセプトしたりする面白さはその時間の経過が感じられなければ半減しそうな要素だと思います。


原作を読んでいるとつい忘れがちなのが、この18、19世紀のイギリス海軍についての小説を書いた原作者は20世紀の人だということです。それを忘れてしまうほど良くできているというか時代考証や海事考証による設定が細かくて専門用語がたくさんでてきます。ファンはきっとそういう専門用語を暗記して日常で使ったりして楽しむんでしょうね。


ホーンブロワー」シリーズは第二次大戦の少し前から始まったものなので、作品の性格としては娯楽時代劇のようなもの、しかも立身出世物です。豊臣秀吉の「太閤立志伝」やそれを翻案にしたNHK大河ドラマと同列に扱って良さそうです。


ところで、実際に書かれた順序というのはホーンブロワーが艦長に就任してからの物語が最初で、これが好評だったので、ホーンブロワーの過去という形でシリーズの8冊目として書かれたのが「海軍士官候補生」ということです。ということは、この「海軍士官候補生」を少しでも面白く感じられたなら他の作品は同等かそれ以上に面白く感じられるのではないかと思います。


実は私も「燃える戦列艦」や「海軍提督ホーンブロワー」などはまだ読んだことがありません。入手できれば読んでみたいものですが、図書館には入っていないようです。残念。購入するしか無さそうです。