Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

クロック交換についての下準備


クロック交換を考えてネット検索などして少し調べました。DPF-7002のクロック交換で重要なサイトというと


http://www.geocities.jp/tochey_2000/cdp10.html
http://www.geocities.jp/tochey_2000/index.html

http://www.ne.jp/asahi/sound.system/pract/cont_frame2.html
http://www.ne.jp/asahi/sound.system/pract/index.html


が見つかりました。


上記サイトでは、三田電波というところの高精度水晶発振器を使用しています。5Vで動作するもので、直流安定化電源回路を作って直流5Vを供給しています。


DPF-7002の基板上のいわゆるクロックは金属缶形態の水晶発振子(あるいは水晶振動子)で「L77-2133 16.9344 KDS 5C」という表記があります。先日、KENWOODのサービスセンターでサービスマニュアルをちらっと見せてもらったところ、3.28V(約3.3V)がこの水晶発振子(図面上ではXTAL)に供給されていることになっていました。


この水晶発振子、発振回路を組んで一定の温度下で一定の電圧をかけると16.9344MHzで振動してDACデコーダー・チップとCDドライブの駆動部(DPF-7002では)の制御に使われます。PCのCPUの処理能力を表す動作周波数と同じで、これが規則正しく一定の間隔で動作し続けることが重要なことは確かです。


どうやら、DPF-7002上の水晶発振子はその精度が低いらしいです。周波数偏差と呼ばれる誤差のようなものが製造時からあって、それが通常のものは±30〜100ppm程度(物によりけり)あり、しかも経時変化というのもあって、1年で±5ppm程度あるらしいです。さらに温度によって周波数偏差が拡大することもあるとのことで発売時から9年近くになるDPF-7002ですから、部品の製造がその1年前くらいだったとしても、もしかしたら常時100〜200ppmの誤差が生じているかも知れません。少なくとも水晶振動子を新品に交換することには意味がありそうです。


±100〜200ppmというのが具体的にどいう大きさなのかということですが、ppmとは100万分の1。すると16.9344MHzが1秒間に1693万回程度振動してCDPの動作の単位として機能している間に±100〜200回の増減があるということなんでしょうか?仮にそうだとして、その誤差が1秒間に生じることによって人間の耳に分かる音の違いになるんでしょうか。


(訂正:±100ppmの誤差とは100/100万の率なので、16.9344MHzに対する±100〜200ppmの誤差とは1秒間に±1600〜3200回の誤差を意味するようです。大きいといえば大きいですね。)


訂正:読み返したら、すごい勘違いしてますね、↑コイツ(笑)回数なんかじゃありません。なんでこんな勘違いしたのかなぁ・・・ 2006/12/12


三田電波の高精度水晶発振器は5V動作のMTX-0510、3.3V動作のMTX3-0510共に温度特性±1.0ppmとなっています。温度補償型水晶発振器(TCXO)とあるので、温度変化による誤差が±1.0ppmと非常に少ないものと期待してよさそうです。いわゆる周波数偏差にあたるデータが見当たらないのですが周波数精度=指定精度とあるので、今のところ±1.0ppmが総合的な誤差とみなしておきます。


http://www.mitadenpa.co.jp/
http://www.mitadenpa.co.jp/tcxolist.htm#mtx
http://www.mitadenpa.co.jp/mtx.htm


するとDPF-7002標準のものと比べて少なく見ても30倍程度は精度が高いようです。


精度の高いクロックを供給することで何が変わるのか?詳しい仕組みはまだ調べていません。精度が低いとDACとドライブの間に処理のずれが生じるんでしょうか?


ネット上の経験談を見る限りクロックを高精度のものに交換すると概ね良い結果が出るようです。


DPF-7002標準の水晶発振子には+3.28Vが供給されているので、三田電波の3.3V動作品MTX3-0510が使えそうな気がします。水晶発振器には発振回路が含まれているので、CDP基板上の発振回路を構成するコンデンサと抵抗を取り除いて、+3.28Vを水晶発振器の14ピンに、出力(クロック)の8ピンをデコーダーICの足に直接、または33〜100Ωの抵抗を介して接続、7ピンはCDP基板上のGNDラインに落とすということは、一応理解しました。厳密にはGNDは入力の+3.28Vに対して±0Vになる基準電位というのを考えて場所を選んで繋がないと+3.28Vがふらついて動作が不安定になるようです。


水晶振動子を使う発振回路については次のサイトが分かりやすいと思います。

http://www.picfun.com/pic20.html


ところで、クロックを交換して効果があるのは、クロックの精度によるよりも直流用安定化電源回路を作ってクロック・ジェネレーターを基板から離すことによって、基板上の電気的な汚れを取り除くことの方であるという説があります。うなずける話だと思いますので、独立した基板を用いるクロック交換は


1.「新品または高精度のものに交換する」
2.「主基板から電気的に独立させる」


2つの点に意義と効果があると、私は理解しました。では、それぞれ別々に検証することができるんではないか?と考えるのが筋ですので、まず簡単に水晶発振子を新品の同じものに交換できないか・・・と、ちょっと探してみましたが、なかなか見つかりません。仕方が無いのでまた補修部品としてサービスセンターから購入しようかと実際に問い合わせましたが・・・現在、品切れ中で納期未定という回答でした。


となると、次は水晶発振子は基板から抜いたものをそのまま使い+3.3Vの直流安定化電源回路を作ることです。これまで見てきた先駆者たちのサイトによって何とか作れそうな気がしますが、部品を調達してみないと何とも言えません。


それにこの場合、CDP基板上の回路を読んでみないと実際に基板上のどのパーツを除去したり回路をスキップすれば良いか分かりません。基板の裏と表の写真を撮って調べてみることにします。