Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

APPLESEED


APPLESEED [DVD]

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監督:荒牧伸志、プロデュース:曽利文彦APPLESEED」見ました。セルシェーディングのキャラクターには最後まで馴染めませんでしたが、LM(ランドメイト)やオリュンポスの風景なんかは、よく再現されていて非常に良かったです。


LMは内部構造や動きまで非常にリアルだと感じました。フィクション内の小道具がリアルというのもおかしいかもしれませんが、原作の記憶と劇中の見た目とその動きが違和感が少なかったということです。モーションキャプチャーで滑らかな動きが売りのこの作品ですから、LMも実物大の着ぐるみなど使って歩幅や腕の可動範囲などのマッチングを行ったんでしょうか。


そのモーションキャプチャーで違和感が出たのが、デュナンやヒトミなどのキャラクター。なまじセルっぽさを出しているため、その動きのなまっぽさがアクション・シーン以外では邪魔になり、人形劇のような違和感、気持ち悪さにつながっているように感じました。コスト削減のための動画減らしもあるでしょうがセルアニメでは喋っている登場人物はあんなに動かないし・・・たとえば「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」で素子があんなにフラフラ、クネクネ動きながら喋ったら、私でも嫌いになります(^^;)動かないから良いという考えもあるはず。


エンディング・ロールで見るとフェイシャルとあったので、キャラクターの表情の動きまで声優などにやらせたようですが、やり過ぎではないかと思いました。


原作とかなり違うキャラクターデザインについても、デュナンはまぁ我慢できましたが、ヒトミは我慢できませんでした。表情と併せて媚び媚びな美少女顔で、一昔前に3DCGアプリのユーザーが集まるBBSでコンテストがありましたが、あそこに見飽きるほどあった顔。3DCGならではの気色悪さで、ある意味、卑猥といっていいかも知れません。


多脚砲台は迫力ありましたが、パスワードの謎の入力はストーリーとして嫌いな部類です。平成版「メカゴジラの逆襲」と同じ。確かに士郎正宗作品というのは、あれだけ即物的な世界を描きながら、どこかでオカルトを容認している風がありますが、ようするに形而上学的な世界解釈は形而下学的なものの見方の延長線上にあって不可分ではない・・・決して絶対的に不可知の領域なわけでは無いというのが作者の考えだと思っているんですが、何というか予定調和的なエンディングというのは登場人物たちの努力の価値が否定されているように感じられるので好きになれません。



まぁねぇ、努力しても報われないことはあるし・・・ある意味、この「APPLESEED」の真のエンディングはバッド・エンドの方、D-TANKが破壊されて人間が生殖能力を失いやがて滅びることになった・・・デュナンは多脚砲台の砲撃の衝撃でブリアレオスの手を離してしまい、ブリアレオスは死亡。ひざを抱えてうずくまるデュナン・・・というのがラスト・カットであっても不思議は無かったですね。


しかし一般大衆を喜ばせるには、理不尽であってもハッピー・エンドを持ってこざるを得ないという大人の事情があります。そうでないと不人気で制作費が回収できないし、続編制作の機会も失うし。


その良い例が、いくつかの映画がビデオ・DVD化されるときバッド・エンドが付け足されること。「28日後・・・」とか。


28日後...特別編 [DVD]

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