Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男

これも先日RakutenTVでレンタルしたうちの一本です。


紹介文に「反乱軍500人 V.S. アメリカ南軍100万人!」などとあって、私も先日見た「グローリー」みたいなものかと思っていましたが、全然そんなものではありませんでした。


確かに、沼に潜んで南軍の脱走兵、逃亡奴隷の黒人、南軍の過酷な徴税に反対する小作農など集めて南軍の一部と戦うロビン・フッドみたいな活躍をする場面もありましたが、もっと広く深くアメリカの人種問題を扱ったものでした。


リンカーン大統領が奴隷解放令を出しても、次のジョンソン大統領がそれを改悪する。白人至上主義者やKKKは黒人のリンチを繰り返す。解放奴隷も含めた自由民の投票権を認めながらも、実際は白人至上主義者が黒人や当時の共和党員の投票を妨害する。


同時に85年後、ニュートン・ナイトと黒人女性レイチェルとの子孫デイビスが1/8黒人の血が混ざってるとしてミシシッピー州の有色人種と白人の結婚を違法とする州法に違反した罪で裁かれる様子が描かれます。


アメリカの恥の歴史をちゃんと描いた良作だと思いました。2016年制作でPG12指定の今作は「グローリー」と違ってリアルでエグイ場面もあれば、絵的に美しい場面もあり、音楽も良かったです。


レンタル購入日は7/29でしたが、最近偶然にもヴァージニア州で白人至上主義者とそれに反対する集団の衝突事件がありました。もう一つ偶然といえば「グローリー」で主役のロバート・グールド・ショーを演じたのはマシュー・ブロデリック。今作でニュートン・ナイトを演じたのはマシュー・マコノヒーとどちらもマシュー(^^;)


原題は「Free State of Jones」“ジョーンズ自由州”。ニュートン・ナイトが南部の三州を南軍から奪い独立宣言した時の今はない幻の、貧富の差や人種差別を認めない州のことです。