Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

Accelero L2 Pro

http://www.arctic-cooling.com/catalog/product_info.php?cPath=2_&mID=256

Leadtek PX8800GTのリファレンスファンを外して装着しました。リファレンスファンでも100%動作でそこそこ冷えるのが分かったんですが、届いたものは動作チェックもしないと初期不良だったら困るので。

作業経過覚書

リファレンスファンを外す前に少し動作させて(「King's Bounty: Aormord Princess」10分)温め。
バネ付きのネジをできるだけ外側から対角線を意識した順で外して、リファレンスファンのスチールの外装を持ってGPUコアを中心に左右に小さい角度で回すように静かに動かすと滑る感じがするのでサーマルグリスが柔らかくなってるのが分かる。左右だけでなくて上下の動きも混ぜてそれを繰り返すと無理なく外れるはず。

GPUコアにべったりサーマルグリスがついてるのでまず爪楊枝で大雑把にこそぎとり消毒用アルコールをしませた綿棒で拭き取り。できるだけチップ上面以外にアルコールがつかないように気をつけてアルコールで溶かしティッシュでぬぐったり。


周囲に並んでいるメモリーチップも同様に拭いクリーニング。そうしないとアルミのヒートシンクを付けてもすぐ取れてしまう。触るとヌメる感じがするので何か付いてる。


モリーチップ用のヒートシンクは形状的にはフィンが横向きになるような取り付け方がぴったりだったがAccelero L2 Proの英文マニュアルにはチップに対して縦方向、全体に放射状に空気の通り道ができるような取り付け方の図があるのでそれに従う。


電圧レギュレーター(VR)へのヒートシンクの取り付けは、図のようにコンデンサーの傍にいくつも同じ大きさの物が並んではいなかったが、まずひとつあった三端子レギュレータのようなパーツの上にひとつ、それに隣接する「+」マークの小さなパーツ2つにまたがるようにひとつ。裏側の三端子レギュレータのようなパーツでPCIスロットに近くない方にひとつ。表側のパーツにはもともと白いグリスのようなものがついていたので念入りに掃除したが最初に付けたものはちょっと触ると取れてしまうくらい粘着力がなくなってた。VR用のヒートシンクは8つも付いていたので予備を貼りつけた。

GPUチップの中心からボードの縁まで約47mm。Accelero L2 Pro本体のステーの穴位置は図のBでデフォルトのはず。ファンが下にヒートシンクが上になるように置いて作業。スペーサーを一時的に固定するためのリング状の両面テープを台紙から剥がしデザインナイフを使ってネジ穴に合わせて貼る。台紙から剥離紙のみ剥がれてしまうこともあった。デザインナイフで剥がして貼る。スペーサーを模型用のピンセットでつまんで固定。ここまでブリスターパックの蓋に入れたまま作業。

Accelero L2 Pro本体をブリスターパックの蓋から出して机に直に置きその上からグラフィックボードを合わせていく。横から光を当ててグラフィックボードのネジ穴から覗きながらスペーサーの穴に合わせてグラフィックボードを載せるとGPUチップの部分が少し盛り上がってる感じがして座りが悪い。


ピンセットでネジにワッシャーを通してからネジを穴に対角線を意識した対で入れ、軽く締めておく。もう一対を入れて軽く締めたら対角線を意識した順序で徐々に締めていく。スペーサーとボードの隙間がなくなるくらいきっちり締めたらボードの縁がGPUコアを中心にして少したわんでいるように見える。少し全体に緩めてみる。まだたわんでいるように見えるがヒートシンクGPUコアが密着していることが重要なのでこれでいいかな?


4ピンの電源ケーブルをボード側と接続し忘れていたので隙間から押し込んで接続(^^;)購入する前からボードからの制御とモニタリングは諦めていたけど、これはできるのでは?3ピンの電源ケーブルを12V側と接続。8800GTは特に発熱量が大きいので12Vの方がいいのかな?と。


PCに設置、このときの電源ケーブルの接続がいちばんイライラ。コネクタ内の電極がグラグラして向きが定まらないので受け側の電極の縁にぶつかってうまく入らない。受け側の電極もグラグラ。リード線に触って向きを整えながら受け側コネクタを変えたりして試行錯誤でなんとか接続。


作業完了。

結果(nTune)

リファレンスファン
室温18℃
自動ファンコントロール(ファン30%-) アイドル:61℃ 負荷:74℃
ダイレクトファンコントロール(ファン100%) アイドル:45℃ 負荷:53℃


Accelero L2 Pro
室温18℃
自動ファンコントロール(ファン30%-) アイドル:47℃ 負荷:53℃
ダイレクトファンコントロール(ファン100%) アイドル:46℃ 負荷:52℃

自動ファンコントロールが効くのが嬉しいですね。30%だとほとんど動作音がしないんですがリファレンスファンと比べてこれほど冷えてるのは巨大なヒートシンクの効果だと思います。ファンを100%動作にしてもリファレンスファンとあまり違いが無いのは残念といえば残念ですが、動作音が全然違うのでそれはメリットだと思います。


ちなみにGPU-Z(0.3.8.0)で見ると100%動作の時、リファレンスファン:平均3015rpm、Accelero L2 Pro:平均2035rpm。30%動作の時、リファレンスファン:?rpm(忘れました(^^;))、Accelero L2 Pro:平均1340rpm。

結語

リファレンスファンの問題はひとえにヒートシンクの貧弱さとそれを補うために全力回転させたファンのうるささでしたね。1スロットに収まっていたのでSLI動作には向いていたんでしょう。


Accelero L2 Proは総合するとこの値段(2000円)のものとしては満足してるんですけど、ファンが非力なのかヒートシンクの面積や構造状の限界なのかファンを全力回転してもほとんど変わらないのが物足りないといえば物足りないですが。ファンが正常動作してるのはGPU-Zで回転数の変化を見ても動作音の高まりを聞いても分かりますが、温度はほとんど変わらないですねぇ。これで自動ファンコントロールから変更しなくても良いというか変更しても意味がないので余計な気を使わなくて良いと考えればこれもメリットかも???


そういえば冷却性能が「100Wまで」とか言われてるんですが、どういう意味なのかピンときません。GPUコアのTDPが100W?ならGeforce 8800GTに対して完全に力不足なのは当然でしょうけど、冷却性能って消費電力で云々されるようになったんですかね?最近は。まぁ確かに基本的に消費電力に発熱量が比例するでしょうけどチップによって熱への変換効率は違うだろうと思うんですけど・・・どうなんでしょ?それとも全く違う意味なのかな?


「King's Bounty: Armord Princess」プレイ中にGPU-Zでも見ても自動ファンコントロールによる回転数は30%でした。まぁ見る通りAccelero L2 Proのファンでは100%にしても変りないんですけど、他のGPUクーラーの場合、BIOSを書き換えてもっと低い温度で回転数が上がるようにした方が良いんでしょうね。

蛇足

ちなみに同じGPUクーラーを使ってると思われるPowerColor AX5750 1GBD5-PDH(http://d.hatena.ne.jp/tma1/20091206#p1)は、


PowerColor AX5750 1GBD5-PDH
室温17℃
自動ファンコントロール(ファン40%) アイドル:35℃ 負荷:71℃(ファン53%)
手動ファンコントロール(ファン100%) アイドル:33℃ 負荷:65℃
ATI CCCによる値です。アイドル時の温度がかなり低いです。さすが元々低消費電力、低発熱のボードです。で、やっぱりファンを100%の全力回転にしてもそれ程冷えるわけでは無いようですね。

負荷時の温度がGeforce 8800GTより高いのはゲームプレイ時の解像度やAAなどグラフィックオプションが違うこととケースのエアフローの違いだろうと思います。窒息ケースでもあるんですが設置スペースの都合で背面にゆとりがありません。電源の寿命もそのせいで縮んでしまうのかも。搭載HDDや拡張カードの数も違います。サブPCはHDDx1、DVDx1、音源x1程度ですが、メインPCはHDDx3、音源x2です。その代わりメインPCにはケースファンが別に2つ付いてます。


(追記:でも、この結果はちょっと気に入らないですねぇ。アイドル状態でこれだけ冷えるんだからエアフローが極端に悪いとは言えないはず。計測開始時には再起動ではなくてアイドル状態にして下がるのを待ってから行っているので少なくとも65℃以上から35℃までは少しの時間で下がってるわけだし。負荷かけたときにGeforce 8800GTよりも熱くなってしまうとは)