読了しました。当時の政府と陸軍中央参謀本部の優柔不断、関東軍参謀の独断専横ぶり。天皇が統帥権を持つとされながらいかにないがしろにされていたか。
戦後、天皇を守るために相当の捏造があったとすれば別ですがここに書かれた統帥権干犯問題を見ると天皇も被害者であったのかと。
特に印象に残ったのが、ノモンハン事件後の関係者の処分内容。全滅を免れるために独断で撤退を行った連隊長たちに自決を迫るとは。
文春WEB文庫ということでどれほどちゃんと電子書籍化されてるかと思えばちょっと拡大すれば地名のような細かい字がぼやけて読めなくなるような小さな地図が二枚だけ。注釈は本文と同じ文字サイズで参照箇所の本文に戻れるようなリンクになっていて便利でしたが・・・図版の扱いを見ると電子書籍化に対する配慮がまだまだ足りないようです。