オブライエンは「金剛石のレンズ」なんかが好きでサンリオ文庫の「失われた部屋」は持っているんですが、今回、創元推理文庫版の本邦初訳やオリジナル原稿に近づけた改定も含んだ大瀧啓裕訳の決定版を読んでみたら「金剛石のレンズ」も含めてほとんど初めて読んだ感覚です。「チューリップの鉢」も好きだったはずなんだけど、こんな作品だったっけ?と。
幻想・怪奇小説って読んだ時の状態にかなり左右されるのか、面白く感じられるときと全然そうでないときのギャップが激しいです・・・個人的には。「ワンダースミス」「手から口へ」は読んでいてかなり辛かったです(^^;)
「いかにして重力を克服したか」に、昔夜店で買った「地球ゴマ」と呼ばれるジャイロスコープのオモチャが出てきますが、あれを見て無重力と感じる発想には???でした。確かに、斜めや横に傾いた状態で回転し続けるのは不思議ですが、手の上で回してみれば間違いなく重いので、重力克服の手段としては昔に書かれた小説でしかも夢オチにしても随分無理があるなと感じました。