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tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

高見 広春 (原作)×田口 雅之 (作画)「バトル・ロワイアル」全15巻

高見 広春 (原作)×田口 雅之 (作画)「バトル・ロワイアル」

バトル・ロワイアル 15 (ヤングチャンピオンコミックス)


コミック版全巻読みました。意外に面白かったし、殺戮ゲームとひとことで片付けるのは酷なくらいヒューマニズムに溢れた作品でした。


人体損壊などがエグすぎたり(「ヤング・チャンピオン」連載だから?)、美男美女とそうでないのの描き分けが極端で、人物の絵は正直言って嫌いな部類です。作画の人はもしかしたら昔、「孔雀王」の荻野真のアシスタントでもしてたんでしょうか、硬い人体を描きます。荻野真よりはマシですが、女性の裸体でも硬く感じます。軟らかい人体の見本を安彦良和としてマシュマロと形容すれば、セルロイドででもできてるのか?みたいな。


とにかく最後の最後まで主人公が殺意を持って撃つのをためらうんですが、決定的瞬間の溜めが恐ろしく長かったのが印象的でした。ここまで撃つべき相手を撃つのに躊躇する作品を単純に残酷で人目を引きたいだけのものとは言えないでしょう。


原作をどれだけ膨らませたか分かりませんが、最初は嫌悪感と疑問を感じながら読み始めましたが・・・誇り高い女のエピソードでツボにはまってしまいました。良いエピソードを書けるじゃないか・・・と。第三の男、拳法使いの覚醒などのエピソードは長編コミックという場だからこそ表現できた密度ではないでしょうか?