塩野七生「ローマ亡き後の地中海世界-海賊、そして海軍-」
読了。塩野七生の文章は読みやすい。
最後の方のマルタ島の攻防は凄かった。「ロードス島攻防記」「コンスタンティノープルの陥落」「レパントの海戦」に関しては本を書いてるので詳しくはそっちを読んでね\(^o^)/攻撃には閉口しましたが・・・
この三冊は持っていて「ロードス島攻防記」を読み始めたことがあったんですが、なんというか歴史小説風で馴染めず。
人物描写とか心理表現とか詳しく書かれれば書かれるほど違和感を感じてしまう質なので・・・挫折しました(^^;)
「コンスタンティノープルの陥落」に関しては「歴史群像」の記事で確認しましたw
当然ベネツィアからの視点での地中海世界の歴史にも興味が出たので「海の都の物語」の文庫版も入手してありますが、その前にノルマン人のシチリア征服について詳しく知りたくて高山博「中世シチリア王国」を読み始めました。
だってね、塩野七生によれば当時の南イタリアの地方領主の要請を受けてフランスのノルマンディー地方の250人の騎士がやってきて、シチリア島を征服していたイスラム教徒と長い間戦い続けてその数を15人に減らしながらも遂にシチリア島をキリスト教徒の手に戻したという・・・
何その浪漫あふれる物語!?
それにイスラム教徒が数万の軍勢で征服したシチリア島を含めて南イタリアをたかだか250人の騎士でって意味が分からん(^^;)
最盛期の武田騎馬軍団が武田勝頼に率いられて天下統一するという方がまだ分かるw
きっと南イタリアのキリスト教徒も加わってということだと思うけど、2人のノルマン人の兄弟がシチリアに王国を作ったって、何故南イタリアの住人はノルマン人の支配を受け入れた?
そしてその王国は定住していたイスラム教徒もその文化も排除せずに取り込んで、当時のヨーロッパの国々が羨むような先進的で開放的な文化圏を作っていたと。
なんとも魅力的。
Wikiで見ると人名がたくさん出てくるけどよく分からん(^^;)ルッジェーロ、ルッジェーロ1世、ルッジェーロ2世と出てくるけど、このルッジェーロはどのルッジェーロなんだ?とか分かりにくい(^^;)
ルッジェーロとかいかにもイタリア風の名前で後世呼び習わされた名前だろうけどノルマン人としての元の名前は?とか。
「ノルマン・コンクエスト」という単語くらいは学校で習ったけどその祖先は「ヴィンランド・サガ」のクヌート王を含むデーン人だとか要するにヴァイキングだとか、授業では分からないことだらけ(^^;)
ということで読み始めた高山博「中世シチリア王国」は新書版ですが写真も図版も多めで好感触。ルッジェーロという名に関してもルゲリウス(ロゲリウス)というラテン風の読み?も出てきていますが、何かこれも違うんじゃないかという気がする(^^;)仲間内ではもっと別の呼び名だったんじゃなかろうか?