Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

NHKスペシャル「100年の難問は何故解けたのか」

MP5プレーヤー DAPL TY-A2で見ました。動画を持ち歩けるって便利だわ〜。

ポアンカレ予想という数学の難問を解いて数学では栄誉ある賞にノミネートされたのに、辞退したペレリマン博士。

番組では同様にポアンカレ予想に憑かれたようにのめり込んで人生を費やした学者を紹介して、ポアンカレ予想そのものに魔が潜むような印象を作ろうとしていたようにも思えましたが・・・論文を発表してから人が変わったようになり失踪同然に職場からも去ったのは難問を解く過程で何かが変わったのか、それとも・・・???

私がありがちなこととして考えるのは、インターネットでの論文の発表後や位相幾何学の専門家達に招かれてプリンストン大学で講義・解説した後にネットに偏在する「悪意」の犠牲になったんじゃないか?と。

かつては良く笑う陽気な人だったそうですが、今ではひきこもりのようにかつての恩師との接触も拒んで悲しませるようになったのは、色々と形を変えて襲ってくる悪意との絶え間ない戦いに疲れてしまったのでは無いでしょうか?

プリンストン大学での講義は証明の手法が位相幾何学のものとは違い微分積分や物理学を取り込んだもので、専門家達にもさっぱり理解できず検証に4年間かかったそうです。

元の愛想の良さから、ネットを通じて色々な人物と色々なやりとりがあったことやその多くが無理解から来る気持ち良いとはいえない結果が生じたことは容易に想像できます。

実際、不特定多数の人と掲示板やメールでやりとりするのは非常に疲れます。精根尽き果てた結果、隠遁したくなる気持ちは分かります。

まあ実際にはどうだったかわかりませんけどね。


それにしても「単連結な3次元閉多様体は3次元球面に同相であるといえるか?」というポアンカレ予想は素人の私にも何となく数学というより物理学のジャンルじゃないか?と思えたのは、番組の冒頭、宇宙のおおまかな形を予想する問題だと単純化して分かりやすく解説してくれたからでしょうねぇ。だからペレリマン(ペレルマン?)が微分積分の専門家であったと同時に物理学の素養もあって、100年間解かれなかった難問を解くことが出来たんだと納得できる巧みな誘導が番組には仕込まれてました。

専門的に見るならきっとバリバリの数学的問題なんでしょう。そしてきっと私なんかにはそもそもさっぱり理解できなかったでしょう(^^;)