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tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

キングコング 巨大なマウンテン・ゴリラと見た夕焼け

キング・コング 通常版 [DVD]

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http://posren.livedoor.com/a/advanced_ww2006/detail-47205.html

いまさらデッカイ猿が暴れる映画のどこが面白いんだ?と思って劇場には行かなかったんですが・・・良かったです。


スカル島に着くまでもなかなか面白かったし。カール・デナム、プロデューサーってのはどいつもこいつも同じですねぇ。人を道具として使うことに慣れ切ってます。大風呂敷は当たり前。何も無いところから金を引き出す生活力に優れ、まさにゴキブリのようなたくましさ。おまけに演じる役者の特異な容貌。奇妙な目付きがいい味出してました。


容貌といえば、コング。顔の右側がひしゃげた感じのブ男なんですが味のある顔つき。ジオンのドズルみたいだ(^^;)全身の形状はまるでマウンテン・ゴリラ。後ろ足が短くて尻が突き出ていて。背中の毛が白っぽく見えてまさにシルバーバック。


生き残るためにコングの前で踊ってみせるナオミ・ワッツにはやられたと思いました。ジェシカ・ラングがアンを演じた70年代の「キングコング」リメイクも嫌いじゃないんですけど、あれはコングがジェシカ・ラングのフェロモンにやられたという暗示があって(カットされたシーン)生き残る理由付けにしていましたが、今回のコングは後でも分かるように遊ぶゴリラ、遊びの分かる笑うゴリラをモデルにしているのでヒロインとの共感がセックス・アピールを介したものではなくて、もっと普遍的で全年齢的に分かりやすいものになったことは、長所でもあり短所でもあり・・・って感じかな。


オリジナルの「キングコングからして「美女と野獣」という言葉のかなりきわどい方のニュアンス「獣姦」も内包する作品で70年代リメイク作はそれをオリジナルよりも露骨に示してしまったため、一時期ジェシカ・ラングのトラウマになってしまっていたようです。


ロード・オブ・ザ・リング」でも目を背けたくなるエグい絵が若干ありましたが、この作品でもスカル島の原住民が悪魔に憑かれたような邪悪で病的な感じが嫌でした。何で白目剥いてるんだよ〜。最初に出てくる少女はまたまたジャクソン監督の娘?


ふと思ったんだけど、欧米の黒人の地位向上によって未開の原住民だからといって安易に黒人を使った場合、反発を受けるのは必至。なので、異常性を加味したのかなぁと。


恐竜が絡んだアクション・シーンは分かりやすくて子供も好きそうなシチュエーションが秀逸。犠牲者が出ていながらコミカルなタッチ。


巨大昆虫の谷は一転して、絶望的な状況。貝類に頭から食われるアンディ・サーキスインパクトあったなぁ。ひしひしと取り囲むイメージは恐ろしぃ〜。


ロード・オブ・ザ・リング」でWETAのデザイン・チームに「ベルセルク」ファンがいたりピーター・ジャクソンも「ベルセルク」は好きらしいので、クリフォトのイメージがあったかも知れませんねぇ。あ、それに一番しつこい虫がWETA(巨大コオロギ)だったのはもちろんお遊びでしょうね。


アロサウルスみたいな肉食恐竜に3対1で立ち向かうコング、男だねぇ。(まさか雌ってことは無いよね)


壮絶な戦いの後でナオミ・ワッツを完全に保護の対象のように扱うコング。でも70年代コングのようなフェミニストではなくて荒々しくぞんざいな扱い。コングもアンディ・サーキスが演じたということですが、猿を良く演じています。同類の骨が横たわる洞窟を抜けて夕焼け空を背景に崖の上に出るコングとナオミ・ワッツ。このシーンは非常に美しくてゾクゾクしました。


池でスケートのように滑って遊ぶコングは、水がまかれたコンクリートの床をフィギュア・スケートの選手のように滑って遊ぶゴリラが実在するのでそれをモデルにしているのでしょう。