Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

「理性の限界 不可能性・不確定性・不完全性」 高橋昌一郎

読み始めましたけど、これ結構面白い。


哲学ディベートだそうで哲学、論理学、言語学のキモを一般向けにも分かりやすく読ませるものということで、実はあまり期待してなかったんですけど(^^;)中身スカスカか逆に半端なこなれ方で結局読者を放置の作者の自己満足かと思ってたんですが・・・。


いま複数の選択項目に対する集団の意思決定に関する部分を読んでますが・・・多数決や民主的な解決方法とされる投票が実は多数の意思の反映にならない場合というのが結構あるという矛盾を、実例も交えて分かりやすく説明されていて面白いです。


特にオリンピックの候補地選定なんかは現在世間の興味をひいている例だと思いますけど・・・例えば1984冬季オリンピック開催の3つの候補地に対してオリンピック委員会75名が投票して、札幌(33票)、サラエボ(31票)、イエテボリ(10票)、無効(1票)となったものの、一位の札幌が75名中の33票で過半数に満たなかったせいで上位2箇所に対する決選投票を行ったところ、サラエボ(39票)、札幌(36票)となって順位が逆転してサラエボに決まってしまった例とか。


要するに、選択項目を絞る前にはサラエボを選ばなかった人の票が、札幌を選ぶくらいならサラエボにするとして流れた結果なんですが、見方を変えると「本当は」サラエボを選びたくない人というのはそもそも最初の31人以外の44人もいるんですよね。それでも結果としてサラエボになってしまったんですけど、さてこれはどう考えるべきなんでしょう?(^^;)


実はこの手の矛盾、個人的には最近「ほこxたて」を見てるとしばしば感じるんですよね。勝利条件の設定がおかしいというか詰めが甘いせいで勝敗がはっきりしない場合が多くてイライラします(^^;)あれワザとやってるのかなぁ?


例えば絶対見破れない作り物のメロンの作者と絶対に実物のメロンと作り物のメロンを見分けますという鑑定人の対決で、複数の作り物のメロンと複数の実物のメロンを混ぜて並べておいてさぁどうだとやってみたら、作り物のメロンはすべて作り物と見分けられたのに実物のメロンも作り物と誤判定をした場合、どっちが勝ったのか?


当然、作り物のメロンの作者は負けを認めたんだけど、鑑定人も実物のメロンのひとつを作り物と間違えて判定したので引き分けだと・・・ん?なんかおかしいだろ、これ(^^;)


という感じで一見単純にカタが付きそうな勝負も勝利条件や勝負のさせ方の設定次第ですっきりしない結果に。