Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

エクソシストとの対話


エクソシストとの対話

エクソシストとの対話


読了。いくつか面白いエピソードがありました。エクソシズムを受けた薬剤師の話では、枕の中から出てきた呪物を処理することで身体の不調が治ったというのは・・・もしかしたら、発端になった蛇の夢の話から神父たちや家族が協力して「作った」できごとだったという解釈もありうるだろうなと思いました。


「蛇の形をした呪物が見つかり、それを処分した」という出来事が捏造であれ事実であれそれを本人が認識して信じる限り、この御祓い(エクソシズム)は効果があるはずです。


私自身も似たようなことを自分で自分に対して試したことがあります。小学生の低学年の頃ですが、なかなか止められなかったある悪い癖がありまして(^^;)それを自分で絶つために、当時、大事にしていた物・・・といっても当時大好きだったテレビマガジンという雑誌の付録の仮面ライダーのカードのようなものに1週間ほど願掛けのようなことをしてから燃やすことで、きれいさっぱりと悪癖を絶つことができました。


当時はまだフレーザーの「金枝篇」やらエリアーデの著作を読む前だったので、マンガなんかの知識を元に呪詛の真似事をしたんでしょうね。いわゆる類感呪術と共感呪術の混合というやつでしょう。心理的につながりの強い物に与えられた作用が本人にも働くというわけで。現実にそういうことがありうるかどうかはともかく当事者が信じていれば十分、効果があります。


が、本書のエピソードにはそれだけでは説明のできないことも語られています。それらについては何とも言いようがありません。黙るしかないでしょう。


例えば、著者自身が最初こっそりと覗き見て次に同席を認められたエクソシズムの実際。その最中、対象者の反応の高まりと同調するように起きる一時的な停電とか。


ちなみに「エミリー・ローズ」で検事が指摘した、人間の声帯は二つあってチベットの僧などは修業によってこの二つを同時に使うことができるという・・・に通じる出来事もそのエクソシズムの儀式の最中に起きたようで「甲高い悲鳴とがさついた低いうめきとが同時に響く」とあります。