Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

遠すぎた橋

遠すぎた橋 特別編 [DVD]

遠すぎた橋 特別編 [DVD]

レンタルで見ました。吹き替え無し日本語字幕のみのものでした。現在発売中の特別篇は基本的に日本語吹き替え版で一部字幕。TV放映版より長いということです。


事象を淡々連ねる作り方ですね。この辺は映画として好き嫌いが出るところですが、群像劇というものはこういうものだと思えば抵抗はありません。


豪華スターとはいえほとんど男、中年、熟年で、濃い顔(^^;)を揃えたのでさぞやキャラクターの違いが際立って群像劇といえども誰が誰なのか分かりにくくなることはないだろうと思ったんですが・・・確かに、個々の人物についてはおおむねそうでしたが、それぞれの舞台になる橋の位置関係が分かりにくくて、途中で丹念に追いながら見ることを諦めてしまいました。


昔の映画でCGを使うようには簡単ではないかもしれませんが、舞台転換の都度、地図とマーキングをオーバーラップさせることくらいはできたはず。単にそれをしなかっただけで、チンプンカンプンになってしまっというのはアッテンボロー監督のチョンボでしょう。


Google Earthによるアルンヘム橋周辺


それと、見せ方の問題かも知れないし実際、現実にはあんなものかもしれませんが・・・何千人の一斉降下にしても野砲の援護砲撃にしても、スケールが小さく見えてしまう・・・いや、やっぱり見せ方の問題でしょう。降下シーンなどは同じカットの繰り返しかと思ったくらいですから。輸送機の離陸シーンも同一の機体の別アングルの映像に見えました。


しかし、CGの使えない時代さまざまな実機を使って大人海作戦を再現し、しかも徹底して「くたばれ、モンティ!」な映画を作ったということには意義を感じます。戦争自体が大いなる愚行だというのが戦後日本の表向きの意見ですが、その愚行の中にも更なる愚行が存在したわけで・・・。ベルリンへの一番乗りをパットンと競っていたモントゴメリーが打った無謀な大博打。


Amazonか何かの酷評レビューで、空挺部隊の降下シーンで人形が使われたとかあったので、注意して見ましたが、それらしいカットは見当たりませんでした。どこかでは人形も使ったかもしれませんが目立ちませんでした。輸送機から降下した直後、多くの人影が激しく揺れますがあれは人間ですしね。多分、レビュアーの勘違いでしょう。


総じてこの映画は、妙に感傷的にも説教臭くもならず、距離を置きながら描いている感じがしますが、そうした中でも強烈な個性を発する傑物たちのエピソードはどれも胸に残ります。


個人的に妙に気に入ってしまったのが、映画の中では愚行の2番目の元凶、ブラウニング中将を演じるダーク・ボガードが副官から見せられたアルンヘムに雌伏する機甲部隊のスライドを見せられて呆然としながらやがて隠蔽する算段を立てたらしく口笛を吹きながらこれは大丈夫だとこじつけていくシーン。