Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

ヘッドホン出力の比較

最近、Amazonなどで東芝 HDDプレーヤー gigabeat G23が急に安くなって2万円を切った上に15%還元で2000円のギフト券がもらえるということで実質18,000円程度になったので物欲を抑えるのに死力を尽くしている毎日です(^^;)3月頃にも同程度に値下がりしていたようですね。上がったり下がったりなんでしょうか?

ASIN:B00080SC6Q

藤本健のDigital Audio Laboratory
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20031117/dal122.htm


など見ても音質は良いようです。MuVo^2と比べても遜色ないでしょう。気になる点は、音楽データの受け渡しはMuVoのような単純なファイルコピーではなくアプリを通した暗号化されたものでないとgigabeatでは再生できないこと、ヘッドホン出力がMuVoは30mW、32Ω(または24mW(32Ω時))なのに対してgigabeatは16mW、16ΩではさすがにER-4Sではつらいだろうということです。昨日、高速バスの中でマーラーアダージョを聞きましたが、MuVoの最近の常用ボリューム20(最大25)では聞こえにくかったです。かといってボリュームをこれ以上上げると歪んでくるようなので、gigabeat+ER-4Sでは部屋の中で使うのが精一杯で、バスなどの騒音の中ではボリュームを上げて汚い音を我慢して聴かざるを得ないのではないかという心配があります。せめてER-4Pでないと・・・。


まぁしかし、実際に使ってみると案外気にならない可能性もあります。ボリュームをあげなければならないということはそれだけの騒音の中にいるわけですから、良い音などそもそも望めないでしょう。ER-4SやER-4Pの遮音性が高いといっても無音にはできないので、騒音が相対的に気にならなくなるように音量を上げるわけですが、騒音が無くなるわけではないですから。


さて、そんな風にMuVo^2とgigabeat G23のスペックを比較しながらウンウン唸っていたら、常用しているオーディオのヘッドホン出力の特徴を比較してみたくなりました。


まず、無音時のノイズ測定です。CREATIVE MuVoの場合は、audio-technicaのプラグアダプタAT5C204Sで3.5mmジャック->ピンジャック変換をしてRCAケーブルでWave Spectraに入力。


Cayin HA-1A、marantz PS5400の場合は、AT5C1Sで6.3mmノーマルプラグ->3.5mmミニジャック変換をします。

Creative MuVo2 FM 5GB ホワイトモデル CMV2F5G-W audio-technica ヘンカンプラグ AT5C204S audio-technica AT5C1S プラグ


(1)赤:HA-1A (Triode、32-65Ω)、青:MuVo

MuVoはさすがに全周波数帯に渡ってノイズが少ないです。HA-1Aは46.9Hzと93.8Hzに-80dB程あります。カタログスペックではS/N比 88dBなので、使用している真空管などによる個体差かもしれません。WaveSpectraで入力チャンネルをR、Lと切り替えるとそれぞれ同じ箇所でノイズが出ていますが、強さは微妙に違います。46.9Hzと93.8Hzがちょうど1:2の関係だというのは構造上の特性なんでしょうか?


(2)赤:HA-1A (Triode、33-64Ω)、青:PS5400

・意外なことにmarantz PS5400の方がHA-1Aよりノイズが大きいようなグラフになりました。PS5400の方が出力が大きいからではないかと思うんですが、良く分かりません。PS5400のヘッドホン出力の定格は解らないのですが、実際に耳で聴いた場合、ホワイトノイズのレベルはHA-1Aと同じくらいに感じるので案外このグラフの通りのような気もします。(ER-4Sのインピーダンスは100Ωであることに留意)


次にWaveGenで20-20000Hzのスイープを発生させてそれをMuVoの場合はwaveファイルとして転送して再生。HA-1AとPS5400の場合は2mのRCAケーブルでPCのサウンドボードONKYO SE-150PCIのLINE OUTを送ります。


(3)赤:WaveSpectra、青:MuVo

・違いを解りやすくするために横軸をいつもの対数ではなくてリニアにして表示しています。赤はWaveGenで作ったwaveファイル(48kHz 16bit)をWaveSpectraで再生したピークです。出力の違いやケーブルによる損失があるとしても19.4kHzまでは特に癖のない特性に見えます。MuVoの出力が20kHzの手前で切れる理由は今のところ良く分かりません。


(4)赤:WaveSpectra、青:HA-1A (Triode、33-64Ω)

・オリジナルと比べて出力が低域から高域までフラットな特性を示しているというのは、オリジナルを再生しているONKYO SE-150PCIよりもHA-1Aの方が性能が良いから・・・と思いたいのですが実際はどうなんでしょう?そうであって欲しいなぁ(^^;)


(5)赤:WaveSpectra、青:PS5400

・さすがmarantz PS5400、これを見るとヘッドホン出力とはいえ優秀だと思うんですが・・・あくまでピークの比較なので、出てはいけない音が出ているかどうかというのは解りません。また後日個々の周波数で調べてみたいと思いますが、PS5400でちょっと気が付いたことがあります。

(4)と(5)はWaveGenで出力を0dBで発生させています。これをヘッドホンで聴いたときにちょっと大き過ぎたので-10dB、-30dBのようにWaveGenで出力を小さくしてみました。すると


(6)赤:WaveSpectra、青:PS5400(-10dB)

(7)赤:WaveSpectra、青:PS5400(-30dB)

のように入力が小さくなると出力が上がってフラットな特性に近づきます。


ならばということで、WaveGenで-30dBのスイープ信号のwaveファイルを作ってWaveSpectraで再生してみたら


(8)赤:WaveSpectra(-30dB)、青:PS5400(-30dB)

のように、ほぼ同じ特性を示しました。なあんだ、(4)ではもしかしたらHA-1Aには低い出力のスイープを与えていたのかもしれません。これはあとで測りなおします。


ちなみに0dBと-30dBでのPS5400のヘッドホン出力を比較してみると


(9)赤:PS5400(0dB)、青:PS5400(-30dB)

のようになりました。アンプってこういうものなんでしょうか。今のところ理屈はわかりませんが面白い。