Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

講談社「世界の戦争(9) 二十世紀の戦争」

この連休で読了しました。


戦争目的と様態の変遷、第一次大戦から第二次大戦、太平洋戦争、両大戦での特徴的な新兵器、戦争裁判までを340ページほどで扱っているのでそれぞれが概要概観のようになっていて物足りない気もしますが、第一次大戦が分かると第二次大戦の端緒もすっきり分かるという好例でした。


物足りないと思えたのは例えば、太平洋戦争を扱った「日本陸海軍とアジアの戦線」には原爆投下についてひとことも無いとか。陸軍は本土決戦をやる気満々だったが陸海軍の統合が最終的には天皇の意に沿わず本土決戦が免れ「日本の終戦は、ほとんど全部が天皇の判断、熱意、権力によるものであった」とずいぶん昭和天皇の擁護に偏向しているようにも感じます。


単純に考えても原爆の存在が本土決戦など既に絵空事、不可能事にしていたと思うんですが天皇はじめ権力者の決断に影響していたであろうことに一言も触れずにそのように断じているのはいかがなものか。


ちなみにこの本は昭和60年発行です。