Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

完本・太平洋戦争(三)

この巻は「捷一号作戦」の頃の物が多かったんですが・・・連携がうまく取れておらず小沢部隊、志摩部隊、西村部隊と各個撃破されており何とも悲しくなってきます。そしてそれだけの犠牲を払ったのに栗田部隊は作戦中止して撤退で目的を果たさず。


栗田中将のそばにいて一部始終を見ていた参謀の手記により、そもそも大和を含む水上艦隊をすりつぶす覚悟でレイテ湾に突入させる作戦に関する不同意も感じられるし、米軍上陸部隊の上陸中(開始二日以内)という時期を失していて戦果を期待できないだろうという理由も分かるんですけど、部下や同僚がそれぞれ役割を果たしたのに司令のみが勝手に翻意して撤退してしまうというのはやはりまずいでしょう・・・。


しかしその撤退があったからこそ彼我共に無駄に失われずにすんだ命もあるでしょう。栗田中将と同じ状況に置かれた者のみが彼の審判を許されるというチャーチルの感想ももっともです。


ですが途中で見つけた誤送空母群に対して主砲の弾薬を惜しんで二時間も追い続けたというのは、主砲をレイテ突入時に使うから取っておきたいという理由だけでは納得しがたいです。南雲中将といい栗田中将といい何故こうも果断とは言えない「不徹底」な人物が特に重要なポストにあったのか・・・日本という国は国の命運がかかっているような重要な事件に際して不適切な指導者が舵取りをする不運な国なんでしょうか。最近も東日本大震災菅首相が・・・orz