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tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 スペシャル・エクステンデッド・エディション

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本編の後半も見ました。原作ファンとしては追加シーンによって繋がりが良くなったと感じました。ミナス・ティリスの救援に駆けつけたローハンの騎士達がさらにカッコ良く描かれてました。あれぞまさに蹂躙攻撃。サルマンのファイヤー・ボールもそうでしたが、「BfME」はこの「王の帰還」SEE版にかなり影響を受けていて、「王の帰還」にこのSEE版が無くて劇場公開版だけだったらかなり違ったものになっていただろうと思われます。


それら原作にないアレンジについてですが、概ね好感を感じました。特にエオウィンとメリー。追加シーンで好感度大幅アップ。ガンダルフとアングマールの魔王の直接対決。


見せ方に若干問題があるかなと感じたのは、死者の軍勢の本拠地が崩れたときに出てくるドクロの山、大豆に見えたんですが・・・。また、ミナス・モルグルの後でフロドとサムがオークの列に紛れ込んだときの喧嘩のフリ。あれは絵になってなかった・・・。無くても良かったかも。


3部作全体で見ると、アラゴルン関係(アルウェン含む)が一番大きくアレンジされています。原作では風見が丘の対ナズグルでも、アモン・ヘンでボロミアが戦死した時も、映画ほどカッコ良くはなく・・・アンデュリルの登場も映画の方が原作よりも盛り上がるタイミングが作られているし。


それでも原作の方がより内面を描けていると思うので、原作とピーター・ジャクソンの映画とどちらが不滅の価値を持つかといえば、私の中では原作の方に軍配が上がるわけです。


新規追加シーンではなくて既存の差し替えシーンもあって、ラストのサムの家のポストの算用数字が興ざめだったのが数字が無くなっていたように思います。後でオーディオ・コメンタリー版で見直さないと・・・。


音楽ですが、「旅の仲間」公開当時、ハワード・ショアの音楽は「ダーク・クリスタル」の時のほうがずっと良かったと思ってたんですが、「BfME」のせいもあって毎日耳にしていてその良さが分かってきました。もともと原作の基調であった、何かが終わる予感、失くしてしまったものへの憧憬のようなものは主要なBGMに感じていました。今回「二つの塔」「王の帰還」と続けて見ることによってひとつひとつの曲の良さが分かったような気がします。音を良く聞くために、暖房を切ってPCもOFFにして、DTSバージョンの音声を苦情が来ない程度の大音量で鳴らしました。


王の帰還」劇場公開版は2004年のアカデミー賞を取りましたが、実のところあれは三部作への賞だろうと思えました。劇場公開版はそれほどよくは無かったと思います。しかしSEE版「王の帰還」は、まったくアカデミー賞に相応しいものだと思います。他のスペクタクル作品が色あせて見えてしまう・・・「トロイ」は言うまでも無く同じアカデミー賞の「グラディエイター」さえも。明日からの「アレキサンダー大王」がどこまで迫れるか・・・


SEE版はあとで撮り直した部分もあるでしょうが、「指輪物語」ほどの大作にとって劇場公開版を編集するということがどれほどの足枷になっていたかが分かります。商業的に見て劇場にとっては3時間を越えるというだけで大きなマイナスのはずですが、できれば間に休憩を入れて十分な長さのものを最初から上映して欲しいものです。