Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

エイリアン:コヴェナント

いつものエイリアン・シリーズ映画です(^^;)個人的には「プロメテウス」より楽しめましたが、ひどいバッドエンディングでしたw


「エイリアン」のために考えられていたというバッドエンディングに近い。


デヴィッドのせいで「プロメテウス」を見直したくなりました。

テーマはフランケンシュタイン

「プロメテウス」を見たときには何故「プロメテウス」というタイトルなのかピンときませんでしたが、デヴィッドと彼の同型の人造人間により焦点を当てた「エイリアン:コヴェナント」で、バイロンシェリー=フランケンシュタイン=プロメテウスと悟りました。


フランケンシュタイン」という作品はそもそも原題が「『フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス』(Frankenstein: or The Modern Prometheus)」で、生命の創造という神の御業を人間の手にもたらそうとしたフランケンシュタイン博士とその成果物がもたらした惨劇と苦しみを、神のものであった「火」を人間にもたらしたために罰を受けることになったプロメテウス(人間にとっては文明発展の技術をもたらした英雄)に重ねたものでした。


プロメテウスの火」は現在では原水爆原子力発電など恩恵とともに破壊ももたらす諸刃の剣的なネガティブな影も帯びた科学技術の象徴でもあります。


冒頭の造り主ウエイランド博士との対話からして「フランケンシュタイン」だったのに何故もっと早く想起できなかったのか。


反乱する人造人間のテーマは記念すべき「エイリアン」1作目に既にあったのに、利益優先で現場の人間を犠牲にする企業の論理や「2001年宇宙の旅」のHAL9000のような敵になった人工知能の怖さという現代的な問題への関心に上塗りされてしまっていたのかも知れません。


さらには、進歩するロボットや人工知能の技術への期待というものがあって技術に対する「怖れ」を忘れてしまっていたのかも知れません。


フランケンシュタイン」を思い出させてくれた今作「エイリアン:コヴェナント」は最近期待外れの作品が多いリドリー・スコット監督作品(^^;)の中では「オデッセイ(火星の人)」と共に個人的に高評価です。(http://d.hatena.ne.jp/tma1/20140530#p3