Blog:Neutron Star

tma1のブログ 「試行錯誤」・・・私の好きな言葉です

「アグレッサーズ 戦闘妖精・雪風」神林長平 読了 ※ネタバレあり


面白かった。舐めるように読みました。
「アンブロークンアロー」読後のブログとしてこのシリーズを「三人の女傑の物語」としましたが
tma1.hatenablog.com

四人目の女傑が登場しました。「女傑」といっても「どんな」女傑か言ってませんでしたが、当然「ジャムと戦う」女傑ですね。しかも仕事だからとかいうのではなく、「自己の存在をかけてジャムと戦う」くらいの。

四人目の女傑、田村伊歩は「ジャムを“見る”」異能の持ち主「ジャムの天敵」として描かれたわけですが・・・

あれは純粋に「受動的な“観測”」なんですかね?

私には、田村伊歩の持つ暴力衝動が暴力をぶつける敵を求めるあまり、ジャムかそれ以外の可能性のある量子論的確率でどちらかになりうる存在を「ジャムにしてしまう」ことで「ジャムを“見る”」ことができるのかもしれないと思えました。

こういうことは戦争や紛争の発端でも有り得る話で、相手が敵かそれ以外か分からない状況で、「怖れ」や「敵を求めた」せいで相手を敵にしてしまう。

もしかしたら、ジャムと地球の不幸な接触もそういうものだったかもしれない。

上記、「アンブロークンアロー」読後のブログで四人目はジャムとのハイブリッドかもしれないと予想しましたが、実際には「ジャムを知覚する、ジャムの天敵」でした。

しかし、田村伊歩本人の考えの中で異常な暴力衝動を持つ自分は「ジャムが地球と接触した結果、人類が生み出したジャムの天敵」なのだというものでした。

これはある意味、ジャムと人間のハイブリッドと言っていいのでは?

そもそも「雪風」がジャムと地球製人工知性体が接触した結果、変容した、ハイブリッドかも知れないですし。

「つづき」読みたいなぁ・・・「ベルセルク」の悪夢はもう勘弁していただきたいものですが。

そうそう、個人的には作者にとって、「機械」、「女性」、「ジャム」が同種の存在なんじゃないかなぁと感じているんですがどうなんでしょう。