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「三陸海岸大津波」では昭和35年(1960年)のチリ地震津波の時には万里の長城と異名のある防潮堤とそれまでの経験を活かした避難体制のおかげで犠牲が出ず、津波防災のあるべき姿のように受け取れたのに、2011年の東北大震災では防潮堤は壊され、また犠牲が出てしまいました。
そしてちょうど先日ニュースで田老地区の今後についての町の計画と住民の不満について見たばかりです。防潮堤は再建し、国道45号を内陸に移して嵩上げし第二の防潮堤の効果を期待すること。また商業施設は国道沿いの内陸側に、居住区は更に内陸の山側に限定するという分離をするのが町の計画。
・・・なんですが、漁業関係者は海沿いに住まなければメリットがないことから、いつ起きるかわからない津波に備えるよりも日々の暮らしの利便性を重視して結局は1960年から2011年の間にあったように高台から海沿いに移住をしてしまうんでしょう。
住民の中には高さ10m、総延長2.4kmの防潮堤があっても被害が出たことから、必要なのはハード面での防災対策よりも、ソフト面、行動規範やそれを可能にする街の体制づくりなのではないかという声もありました。
具体的には・・・例えば居住区と商業施設や公共機関を分けたとしても、いざ津波警報が出た場合、子供が保育園や小学校などの施設にいれば避難すべき方向とは逆の施設のある方に向かってしまうだろう、それでは無意味だと。
それから、「三陸海岸大津波」に昭和8年の津波被災の生の経験を伝えるものとして当時の児童の作文がいくつかあって著者の吉村昭が作文を書いた本人にも会ってるんですが、その中の田老の荒谷アイさん(「私は、ほんとに独りぼっちの児になったのです」の)が、「検証「大震災」」にも登場しているのが驚きでした。今回の東北大震災の津波ではご家族とご本人は無事でしたが田老地区は大きな被害を受けてしまったわけで。
私等はこんなに何度も津波の被害を受けているのにまだ住み続けるのか?と不思議でならないんですが、思い入れや事情があるんでしょうかねぇ。
正直に言って人が住むのに適さない場所というのはあると思います。そういう場所には無理して住まない方が自然に逆らわないで良いことだと思えるんですけどねぇ。敬遠、まさに敬して遠ざ「か」るべき土地というのはあると思うんですよ。
検証「大震災」【電子書籍】[ 毎日新聞「震災検証取材班」 ]
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