- 出版社/メーカー: フナイエンタテイメント・ジャパン
- 発売日: 2000/10/25
- メディア: DVD
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「プライベート・ライアン」と同じ年(1998)にTV用ドラマとして放映されたようです。製作は「バンド・オブ・ブラザース」と同じくHBO。「プライベート・ライアン」のビッグ・ネームにあやかって邦題は「プライベート・ソルジャー」ですが原題は「WHEN TRUMPET'S FADE」あえて訳すなら「突撃ラッパが鳴り止むとき」とでも?
これは戦争映画としてはかなり陰性のものです。「バンド・オブ・ブラザース」と違い、上官や戦友との信頼関係その他人間的な感情など一切合財打ち砕かれてしまうような状況が描かれます。「バルジの戦い」直前にジークフリート線近傍のヒュルトゲンの森で実際にあった戦闘を題材にした物語です。
小隊に配属されたばかりの一等兵?(二等兵?)が一晩の激戦(中隊の損耗率70%!)で小隊内のただひとりの生き残りに。(ただし、森から脱出する際に負傷した仲間を置き去りにするに忍びなく、射殺)翌日、無理やり軍曹に昇任させられ小隊長として補充の新兵を率いるように命じられるが、経験不足な上に自分が生き延びるために非情な手段を取ることに躊躇しない主人公に率いられる部隊の運命は?・・・みたいな感じです。
「プライベート・ライアン」のように手持ちカメラやハイ・キー気味の映像、CGによる火線の明瞭な視覚化、5.1chによる銃弾の唸りなど臨場感を高めるための最近流行の演出はありませんが、それ以外はほとんど「プライベート・ライアン」や「バンド・オブ・ブラザース」並のリアリティーです。
主役のロン・エルダード、どこかで見たような顔、というか眼だと思ったら「ブラックホーク・ダウン」で捕虜になったパイロット、デュラントでした。「ブラックホーク・ダウン」は「プライベート・ソルジャー」の3年後に公開された作品ですが「プライベート・ソルジャー」当時はずっとやせていたのですぐには分かりませんでした(^^;)
ちなみに・・・ちょっとドンくさそうなメガネをかけた新兵が砲兵陣地に火炎放射器を振り回しながら突撃するシーン、興奮のあまりキーボードを破壊してしまうドイツの狂ったゲーマー少年とイメージが重なりました(笑)
また、主人公マニングのヘルメットの部隊章、第28歩兵師団の赤いマークは元はキー・ストーン(要石)のデザインでこの戦いで「血まみれのバケツ」と呼ばれるようになったそうですが、私にはもっと不吉な「血まみれの墓石」のように見えました。